第116回　マンハッタン計画

1942年後半から、アメリカは陸軍も海軍も南から太平洋の島伝いに日本本土へ向けてじわりじわりと近づいて行きました。
ヨーロッパでは、またドイツが体制を建て直して、暑い夏になるとソ連に攻め込み、8月にスターリングラードの激戦が始まりました。この死闘で、スターリンは自分の名の付いた町だけに絶対に落とさせないとして、「味方でも逃げ出す者は撃て！」と厳命を下しました。

ローズベルトはチャーチルのあの言葉を思い出していました。
「原子爆弾を先に造った方がこの戦争に勝つ！」
6月から準備をしていましたが、ついに8月、マンハッタン島のブロードウェイのビルで暗号名「マンハッタン計画」が発表されました。
シラードは、「やっと発足したか。大統領に手紙を渡してからもう3年も経っているではないか。何と悠長なことをーもうドイツはだいぶ開発しているのではないか」
と憤慨していました。（続く）