ゲームだけが 弟 とのコミュニケーションツールだった頃の話


こんにちは。
Syuheiinoueです。


#自己紹介をゲームで語る 」というお題企画を募集していたので、ゲーマー同士だった弟との やりとりを語ってみようと思います。

ざっくりまとめると、The Last of Us マルチプレイを通じて 母の弟に対する心配事を兄が聞き出したのち、後日こっそり母に横流しをしていた頃の話 です。

ごめんよ、弟。


僕と弟について

僕と弟は、ずっとゲーマーでした。中学生の頃、夜中2時にこっそり起きてゲームをするほどゲームが大好きで、よくコントローラーの奪い合いをしていたものです。

とはいえ僕の方が2年 早く生まれてしまったので、コントローラーの主導権は7割くらい勝ち取っていたことを覚えています。

ごめんよ、弟。

そんな中学時代を過ごした僕たちは、高校生になって部活動が忙しくなったり、新しい友達ができたりしたので、一緒にゲームをすることが自然となくなっていきました。ゲーム自体は各々プレイしていたのですが、夜中にテレビの光が漏れないようにテレビに毛布をかけて光を遮断したり、父母にゲームを没収されて、ふたりで必死に隠されたゲームを探していた頃が懐かしい思い出です。

そして僕は大学を卒業して写真家の道へ、弟は大学時代にオーストラリアに留学したり、ゲームとは無縁の日々がずっと続いていました。



人生がうまくいかなかった弟

弟がオーストラリアに留学した理由は、人生をやり直すためでした。オンラインゲームとバイトに明け暮れる日々で、大学に全然行っていなかったのです。

そんな弟は当たり前のように留年が決まって、父から地元に帰ってこいと怒られたのですが、それでも頑張りたいと言った弟は、人生をやり直すためにオーストラリア留学へ旅立ちました。

そして1年間が経ち帰国した弟の体は引き締まり、友達もたくさんできていました。そして何より、女っ気が皆無だった弟に 韓国人の彼女ができたり、本当に人生をやり直すきっかけを作ることができた…

と思っていたのですが、

結果的には大学8年生まで過ごして、ほんの数単位足りず退学。さすがにショックだったのか、地元に帰って友達とも会わずに派遣の仕事を淡々と過ごす日々を送っていました。

そんな弟は、大学時代から徐々に怒りっぽい性格になってきました。弟のためを想って発言する家族の言葉がすべて「説教」に聞こえていたようで、実際のところ僕は夢とか目標を押し付けたり、言いたい放題でした。

ごめんよ、弟。


The Last of Usに出会った

そんなギクシャクしていた関係性だった頃、当時ゲームショップで見つけた「The Last of Us」にのめり込んでいた僕が、弟に「ラスアス本当に面白いから買いなよ」と言ったことから、ようやく本タイトルに繋がっていくのです。

僕が写真家として独立して間もない頃、弟が大学7年生のときだったと思います。

(ごめんよ、前置きが長くて)


一緒にゲームをしている時だけ、本音で話せた

The Last of Us(以下、ラスアス) のマルチプレイをしている時だけ、僕たちは本音で語ることができました。

本音で語る と言っても、男同士なので「最近どう」とか「大学どう」という問いに対して、「まぁダメかもな」とか「やる気がないわ」くらいの受け答えだったのですが、親の前では話せない本音を共有できる唯一の場でした。

マルチプレイをしている時は、自分が抱えているものから解放される瞬間だったので、僕たちはボイスチャットを使って夜が明けるまでずっと遊んでいました。

ゲームの誘いをするときの合言葉は「やるか」


気持ちの橋渡しをするようになった

いつだったか、母と電話していたときに弟の話題になりました。「最近すぐ怒るから何も言わないようにしてる」とか「本音が分からない」という事で悩んでいたので、僕は弟から聞いていた気持ちを代弁しました。

すると母は、きっと僕に悪いと思いながらも「たまに近況を教えて」とお願いしました。僕はなんとなく「これは家族崩壊のはじまりかもしれないから何とかしないと…」と壮大な妄想をしたことがきっかけで、橋渡しをするようになりました。

こどもの前では威厳を保っていた父母だったので、余計に危機感を感じたのかもしれません。(本質は、陽気な父母です)

それから、就職や結婚、夢、これからの人生について、言葉数は少なくても真剣に語ってきて、その都度 母に近況を伝える日々を続けていました。

言葉を誤って弟を怒らせてしまったことも多かったのですが、兄弟共にプライドが高かったので謝ることはありませんでした。「やるか」と言えばゲームを断ることがなかったので、仲直りの合図だったのかもしれません。


弟が地元を出ることになった

地元でひっそりと派遣社員を続けていた弟に、上司から都市部へ異動の誘いがありました。地元に戻って2~3年経った頃だと思います。

きっと何か不安を持っているだろうな…と感じた僕は、「やるか」の合図でゲームに誘いました。

すると弟は「今のままじゃ自分の人生がダメなこと」とか「ひとり暮らしを失敗しているから自信がないこと」を話してくれました。その背景には、普段は影から見守ってくれてる父も流石に焦ったらしく、これからどうするのか弟に迫ったそうです。トラウマの度合いは本人にしか分からないので、結局 弟が立ち上がるまで、僕はただ一緒にゲームをすることしかできませんでした。

そして異動決断のリミットが差し迫る、本当にギリギリのタイミングで地元を離れることを決めて、それから急いで誰の手も借りずに物件を探したそうです。弟が28歳の頃でしょうか。


そして現在

異動してから、よく呑み会にいく話を聞くようになりました。地元の友達以外の誰かと一緒にいることが、兄にとって こんなにも驚くことなんて知りませんでした。

これを書いたら弟に怒られるかもしれませんが、人生ではじめて半年以上付き合っている彼女ができたことが本当に嬉しいです。本当に女っ気のない人生を歩んでいた弟なので、僕が少し恋愛話にふれるだけで「また恋愛マスターですか」と言っていた頃を思い出します。

そんな彼女さんは割とゲーマーらしいので、外出自粛のときは よく一緒にゲームをしていたそうです。「もしかしたら破局しないのだろうか…」と心配していた母をよそに、結構エンジョイする姿を見た兄はひとりホッとしてます。

よかったな、弟。


ラスアスに出会って良かった

内容が近況に追いついてきたので、そろそろ締めようと思います。ここまで読んでいただきありがとうございました。

たまたまゲームショップで手に取ったラスアスのおかげで、内気で短気だった頃の弟と多くの時間を過ごしてきましたが、僕との会話がきっかけで弟が成長とは思いません。彼なりに成長して人生が充実し始めた事実があれば、兄はそれだけで嬉しいものです。

そんな弟は、母の日にウクレレを贈っていました。そのウクレレで平井大さんのslow&easyをビデオ通話で披露してくれた時は、本当に涙が出そうでした(笑)ウクレレ歴10日だから全然上手じゃないんですけど、本当に心が満たされた気持ちになって、次の日僕もウクレレを買いました。

さいこうだよ、弟。


ラスアスありがとう

本noteではマルチプレイについてお話しましたが、オフラインのストーリーモードを忘れてはいけません。

オトナになってから一番没頭したゲームで、過去に娘を亡くして愛情を失ったおじさん主人公と、世界を救うかもしれない少女の葛藤とシナリオが、プレイする人の感情を複雑に引き込ませる 悲しくも愛おしい 物語です。

そんなラスアスは6/19に続編「The Last of Us Part II」が発売されます。次作は 前作から5年後の世界を描いているのですが、プロモーションを見るだけでストーリーが気になって夜も眠れません。
(正確には布団の中でワクワクしながら寝落ちする)


ファンの一人として、ラスアスを通じて人生闇期の弟との時間を多く過ごせたことを、心から感謝申し上げます。

The Last of Us Part IIは、今までノーティードッグ(開発元)が手掛けたもので一番壮大なプロジェクトなので、本作ではマルチプレイを実装しないそうです。

いつもの「やるか」は叶いそうにありません。

ですが、人として成長してきた弟の側には、いつだってコントローラーと熱狂するゲームの数々、そしてゲーマーの兄がいることを忘れないでいてくれたら嬉しいです。


ステマじゃないよ。
弟よ、共にがんばろう。


The Last of Usマルチプレイについて

ラスアスをご存知の方でしたら結構笑っちゃうようなプレイをしてきたので、最後にチームプレイをしていた頃の戦略をご紹介させてください。

・爆プロ、爆エキ、工作師を使った爆弾魔プレイ
対戦マップの各所に爆弾を仕掛けまくって、対戦相手のイライラゲージを溜める戦法。対戦が終わったあと、よく海外のプレイヤーに「Fxxxxxxxxxck」と叫ばれたものです。

・隠密訓練、火炎放射器の丸焦げプレイ
こっそり対戦相手の背後に近づき、一斉に火炎放射器で葬る戦法。性格の悪さが滲み出るので、あまりオススメはしません。

・応急処置訓練、蘇生師、ショットガンの世紀末極悪プレイ
片方がダメージを受けたりダウンしたら、お互いで回復しあって貯めた部品(ゲーム内マネー)で最強武器ショットガンを購入し、ヒャッハーする戦法。爽快感が凄かったのですが、どちらかが取り残されたときは対戦相手にオーバーキルされたものです。


久しぶりにプレイしたくなってきたので、戦場に行ってきます!

「やるか」


Syuheiinoue


<Web / Twitter>

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