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《光の授受》の挿話─ナゴール的な、もしくは非ナゴール的な─ ウルトラマン第1話の形態学[1]

凡 例

ウルトラマン
…各作品(番組)内での「光の巨人」の総称としてこの語を用いる場合がある。総称・初代ウルトラマン・帰ってきたウルトラマンのいずれであるかはたいていの場合は文脈から明らかとなるだろう。

主人公
…「作品(番組)名(の中の名詞)と同一名のウルトラマンに変身する人間(の姿の彼)」が存在する場合、その彼を「主人公」と呼ぶ。

不同型・同一型
…(少なくとも第1話の時点で)主人公が人間である場合を「不同型(主人公)」、ウルトラマン自身が人間に変身した存在が主人公となっている場合を「同一型(主人公)」と呼ぶ。作品(番組)自体を形容して不同型(作品)/同一型(作品)というようにも用いる。この便宜的な定義により、主人公が存在する作品およびその作品の主人公は同一型と不同型とに例外なく二分される。

科特隊
…本稿では、各作品(番組)における「少数隊員のチーム」の総称としても用いることがある。



はじめに

 “主人公のウルトラマン”の大多数は不同型であり、2021年現在、約4分の3を不同型が占める(注1)。各々の不同型ウルトラマンの第1話において、主人公が何らかの光に包まれウルトラマンと一体になる能力を授かる場面、またはそれと同時に実際に初の一体化が起こる場面を、《光の授受》と呼ぶことにする。この《光の授受》およびその契機となる主人公の行動を考察対象としたい。
 本稿では、その端緒として、2000年代までの不同型ウルトラマンについて論じる。具体的にはまず、『帰ってきたウルトラマン』『ウルトラマンエース』『ウルトラマンタロウ』『ウルトラマンティガ』『ウルトラマンダイナ』『ウルトラマンマックス』の6作の《光の授受》に光を当てていく。これら6作の6人の主人公に顕著な共通点が見出されるからである。次に、この6作とは共通しない特徴をそれぞれに持つ『ウルトラマン』『ウルトラマンガイア』『ウルトラマンコスモス』の3作の《光の授受》も見ていく。

注1…国内TV放映シリーズ(24作)についてざっと数えると、同一型の主人公は6人(6作)のみのようである。

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