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《光の授受》の挿話 ウルトラマン第1話の形態学 〜コラム(2)〜

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 ウルトラマンと郷秀樹の「射し込む光に手をかざす」という変身スタイルは、二人の意志統一の呼応をよく表した活性フィクションであるといえます。また、ときにウルトラマンからの光の促しのみによる変身となることも、「そうすべきは今」ということを表す優れた定形表現になっています。不同型というフィクションの結実としてシンプルで美しく、魅力的なスタイルですね。大相撲横綱の土俵入りの型もになぞらえれば、変身ポーズの代名詞ともいえる一文字隼人=仮面ライダー2号のあのアクションは「雲竜形」、対する郷秀樹の第1話におけるこの変身アクションは「不知火形」ということになりましょうか。身体表現のみによる郷秀樹の変身シーンを見ていると、他の、特に平成以降のウルトラマンたちのゴテゴテした変身用小道具など野暮の極みではないかとさえ言いたくなります。子ども向け玩具の普及とともにウルトラマン文化はあるということももちろん承知してはいるつもりです。が、それでも、それだけに、“手ぶらの不同型”である郷秀樹は、格別に魅力的な主人公であるようにも私の目には映るのです。
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