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遊びゴコロ。

コロコロとベージュのスーツケースを引っ張って、お下げにオーバーオールで手を振るのは、長女。つかの間の帰省である。

「なんでおさげ?」
「え、オーバーオールやから」

ですよね。アラレちゃんスタイル、アラレちゃん見て育ってないでしょうに。
近ごろまた、学生の間に古着ブームがきているという。

私が高校生だったころ、奥田民生プロデュースのPUFFYが元気に「い〜感じ♪」と歌っていた頃、ビンテージデニムが流行り、古着屋がそこここにあった。
色あせたトレーナーに、ダボダボのデニム。
世の男子たちは、そのデニムの色落ち具合をアート作品のように保持し、
「勝手に洗うな!」とかぁちゃんに怒った。普段、洗濯物などポポイッとしている彼らは、ビンテージデニムを手洗いした。

私もその頃から、カジュアルな服装が染み付いていて、どうにもキレイめがしっくりこない。「大人な落ち着いた女性」を演出しなければならないシーン、たとえばしっとりとしたディナーの席(数える程しかないけれど)だとか、家族写真でニッコリ微笑むシーンだとか、にはスーツやキレイめブラウスにヒールでそれなりにキメるのだけれど。
(半日で疲れてしまう…)

長女と買い物へ行っても、服装の趣味が似てきている。
「これかわいい!」と手に取ると
「あーね、ぽい。好きそう」返ってくる。

「わ。これかわいくない!?」
と彼女が言えば
「あー、かわいい、好きそう」と返す。

似たような服を手に取る。
「Tシャツ欲しいなー」と言うと
「それな!」とメンズコーナーへいく。

Tシャツはメンズ。
生地が厚くしっかりしているし、1枚で着られる。オーバーサイズがかわいい。デザインもメンズの方が遊び心があってかわいい。
(すべて私の個人的な定説)
(かつ、長女も受け継いでいる)

紙袋を両手に、すっかりご満悦なお買い物。

コナンの映画組の、夫率いる次女三女と合流し、帰る道すがら。

車まで歩く道中、幼い頃よくやっていた、変な遊びを思い出す。

「ここの上、通っていくってことねー」

「で、影は踏んじゃいけないってことね」

変な細かな設定ばっかりが出来ていく遊び。

「で、ここは息止めてくってことね、毒だから」
「でも、ここ触ってたら大丈夫ってことね」

全然、本編がはじまらない遊び。

「そっち海ね」

「落ちたら死ぬってことね」

長女と二人、車まで笑いこけながら。

「死んでもホントは死んでないってことね」

「あ、影ふんだー、ダメー」
「うっわ、しまった」

いつでもそうやって遊べる大人でいたい。



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