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オランダの交通機関完全ガイド(前編)|主な交通機関、交通アプリ、交通カード、定期券、各種割引について

こんにちは!オランダ在住のぽてとです(自己紹介記事はこちら)。

今回は、オランダの「交通機関」がテーマ
内容が多いので、前編と後編(執筆中)にわけてお届けします。
前編であるこの記事では、主な交通手段、便利な交通系アプリ、交通系カードについてご紹介します。後編では、各種乗車券の購入方法・購入場所・乗車方法、罰金の回収方法などをまとめていきます。

旅行のような短期滞在と、留学や移住、ワーホリのような中~長期滞在それぞれに合ったおすすめも書いていきます。

1_ 主な交通手段

オランダの主な交通手段は、旅行などの短期滞在の場合、バス、地下鉄、鉄道、トラム。留学などの中~長期滞在の場合、そこに自転車や自動車が加わります。

前の記事でもご紹介しましたが、オランダで特徴的なのは自転車利用者の多さと強さ。「自転車>歩行者>自動車」の優先順位と言われている程です。歩道の隣に自転車道があるので、自転車を気にせずに道路を横断しようとすると、容赦なくぶつかる可能性があるのでご注意ください笑。

自転車のサブスクサービスなどは別の記事で取り扱う予定なので、今回はそれ以外の公共交通機関について取り上げていこうと思います。

1-1_便利な交通系アプリ

4つのアプリを入れておけば、オランダ国内の移動でまず困ることがありません。いずれもネット版と携帯アプリ版があります。

・Google Map
9292
NS train (※NS internationalのアプリと混同注意)
FlixBus

FlixBusは国内長距離移動や周辺国への移動に便利な格安バスです。他国への旅行の際にも大活躍してくれます(今後FlixBusについての詳しい記事も書いてみます)。

1-2_交通系アプリの使い分け

Google Map→9292 (→NS train)
の順に検索するのがおすすめです。

9292は料金の検索と多様なルートの検索に優れています。ただし、発着地の具体的な駅名が分かっていないと使いにくいのが難点。そこで、発着地の検索ができても料金が出てこないGoogle Mapとの併用がおすすめです。

オランダは線路工事で急に鉄道がキャンセルになることも多いので、駅に着いてから嘆くことを防ぐために、鉄道に乗る日はNSアプリで鉄道を調べておくことを強くおすすめします。

NS internationalというアプリ(青色)もありますが、それは他国へ行くときに乗る鉄道なので、国内移動の鉄道を検索する場合はNSアプリを使います。

2_オランダのSuica「OV Chip Kaart」

オランダには、日本のPASMOやSuicaにあたる「OV Chip Kaart」という交通系カードがあります。このカードで買い物などはできず、交通機関に乗るカードとしてのみ使うことができます。発行元は鉄道やバスを運行しているNSですが、NS以外が運行しているバスやトラム、地下鉄などでも使用できます。

青色の無記名カード(Anonymous card)と、黄色のID付のパーソナルカード(Personal card)の2種類があります。どちらもカード本体代が€7.5で、(4~11歳と65歳以上を除き)交通費に違いはありません。パーソナルカードはオランダに住所があるひとのみつくることができます。

2-1_無記名カードとは?

無記名カードは旅行者や短期滞在者を含め、誰でもつくることができます。

無記名カードをつくる利点は、毎回チケットを買う手間が省ける点。バス停やトラムの駅によっては、チケット販売機が無いこともあり、車内で買う手間が出てきたりもします。その際、現金は使えないのでご注意ください。

その他注意点として、帰国前にサービスカウンターでチャージしたお金をクレジットカードに払い戻してもらうことはできますが、カード本体代の払い戻しはできないことです。

※€30以上の払い戻しはサービスカウンターで行えないので、専用フォームを提出する必要があります(詳細は公式ページを参照)。

サービスカウンターの検索ページ(公式/英語版)

無記名カードは5年間有効なので、再来訪の予定があれば€7.5(本体代)の価値があると思います。

|購入方法

無記名カードは、駅構内にある券売機やスーパーなどで購入できます。

(購入場所の検索ページ(公式/英語版)

駅にある券売機
トップ画面「Other products」>「Buy an Ovchipkaart」ボタン

2-2_パーソナルカードとは?

オランダに住所があるひとのみがつくれる、中~長期滞在者向けのパーソナルカード。メリットはざっくりとこんな感じです。

①年齢による割引が受けられること
②定期券が購入できること
③ID付のため紛失時に他人に使用されることが防げること
④罰金の払い戻し手続きが簡単なこと

①年齢による割引が受けられること

3歳まではすべての交通機関が無料ですが、4~11歳と65歳以上のひともパーソナルカードを持っている場合、割引などが受けられます。

参考サイトより引用(ov-chipkaart公式該当ページ)

Kids Vrij from NSというのは、親が自身のパーソナルカードに対して付与できる無料サービスです。子どももパーソナルカードを持っている必要があり、親同伴でNSに乗車する際は子供の乗車料金が無料になります。

パーソナルカードなしでも年齢によって使用できるサービスもあります。詳しくは以下のページをご参照ください。

割引サービスをまとめたページ(公式/英語版)

②定期券が購入できること

自分も利用している、1ヶ月間週末(金曜18:30~月曜4:00)に鉄道が乗り放題のWeekend Vrijや、いつでも鉄道乗り放題のAltijd Vrijなどの定期券はパーソナルカードを持っているひとだけが利用できます。

NSのサブスクサービスをまとめたページ(公式/英語版)

尚、学生向けのカードは別で存在するので、ご興味のある方は以下をご参照ください。

学生用交通カード(公式/英語版)

③ID付のため紛失時に他人に使用されることが防げること

鉄道に乗ると、時折車掌さんが抜き打ちでやってきて、機械でカードのログインの確認をしに来ます。

※以下ログイン/ログアウトは、改札口を入るときに乗車券やカードをタップすること(ログイン)と、出るときにタップすること(ログアウト)を指します。

パーソナルカードは裏面に顔写真が載るので、車掌さんによっては(←正直全員じゃないですが..,)顔写真を見て本人確認をします。なので、その分少しは盗難後に使用されることが防げます。

④罰金の払い戻し手続きが簡単なこと

罰金の回収方法については後述しますが、OVチップカードを使用する際に、ログイン/ログアウトを忘れると罰金が取られます。

パーソナルカードの場合、オランダの銀行口座を登録しているので、仮に罰金が発生しても後で簡単に払い戻し手続きをおこなうことができます。

無記名カードを利用していたときに、払い戻し手続きを試してみたのですが、やり方が悪かったのかうまくいかず、払い戻しを受けられませんでした(サイトで申請をするのですが、詳細情報を記入後も次のページに進まないバグが発生し続けました)。

無記名カードで罰金の払い戻しを受けようとサービスカウンターで聞くも「会社に直接聞いてくれ」と対応してもらえず、電話番号に電話をかけてもオランダ語音声のみで「この番号は使われていない」とアナウンスが…。

パーソナルカードにしてからは、サイト上での申請も問題なく進み、すぐに払い戻しを受けられました。

|購入方法

オンラインで購入することができます。ただし、購入にはオランダの銀行口座も必要なのでご注意ください。

ベルギー、ドイツ、ルクセンブルクにお住まいの方はPaypalでも注文可能で、オランダの口座以外(クレジットカード等)で購入したい場合は問い合わせフォームからその内容を相談する必要があります。

Personal cardの購入ページ(公式/英語版)

2-3_OVチップカード利用時の注意点

OVチップカードを利用するときは、残高の確認を。
OVチップカードのサイトにログインするか、チケット販売機でOVチップカードをタップすると、現在の残高の確認ができます。

オランダの交通機関に乗ると、Boarding fare(乗車運賃)とbasic fare(基本運賃)の合計金額が運賃として取られるのですが、後者は距離に関係なく一律にかかる金額です。重要なのは、乗車距離に応じて変わる前者の方。

乗車運賃表(引用元のページ)

無記名カード/パーソナルカードのどちらで乗車しても、ログイン時に地下鉄・トラム・バスは€4、鉄道は€20をまず取られます。そして、ログアウトした駅で、その乗車距離分の乗車運賃だけ取られ、残りは返金されます。

注意が必要なのは、最低限乗車運賃の金額がカードにないと、改札を通れない(ログインできない)という点です。バスやトラム、地下鉄であれば€4、鉄道であれば€20、カードに残額がないと乗車できません。

また、ログアウトを忘れると乗車距離に関係なく乗車運賃額が丸ごと引かれます。例えば、AmsterdamからUtrechtまで片道€9ですが、ログアウトを忘れると€11も余計に罰金として取られます。

3_罰金の回収方法

罰金の回収方法をお話しする前に、まずは登録しておいておくことを強くおすすめする公式サイトのアラートをご紹介します。

3-1_Missed Check-out Alert

Missed Check-out Alertはログアウトを忘れたときに、メールでお知らせしてくれる機能です。これを登録していないと、気づいたらかなりの金額が罰金で無くなってしまっていた、ということが起こりえます。

「Missed Check-out Alert」(公式/英語)

ログアウトをしたつもりだったのにうまくタップできていなかった、改札機がうまく作動しなかった、なんていうことも慣れないうちは日常茶飯事(慣れても時々起こる)なので、まずはこのアラートを登録してみてください。

3-2_罰金の回収方法①サイトから払い戻し申請をする

罰金の払い戻し申請は、OV-Chipkaartの公式サイトからおこなえます。

アラートメールにあるURLからページに飛ぶとこのような画面に遷移します

いま自分のカードは払い戻しが無いので詳しい画面をお見せすることができませんが、払い戻しには以下の情報が必要です。

・乗降車した駅名
・OVChipkaartのKaart Nr.(カード番号)
・OVChipkaartの有効期限

乗降車した駅名については、乗車/降車時間と、乗車または降車した駅名、
罰金額が記載されているので、それらの情報をもとに思い出して記載します。ここが最重要で、かつ忘れると厄介でもあるので、上記のアラートメールで届いたらすぐに対応することをおすすめします。

カードナンバーとカードの有効期限については、OV Chip Kaartを見れば裏面に記載があるのでそれらを記入します。

無記名カードを利用していたときに、よく携帯からおこなうとバグで有効期限が入力できない事象が起きたので、もしそうなった場合はPCから登録してみると上手くいくことがあります。

3-2_罰金の回収方法②券売機から払い戻しを受け取る

罰金を受けたカードを駅に持っていき、駅にあるNSの黄色い券売機で罰金を受け取ることができます。

自分の場合は罰金の払い戻し申請後、駅でカードをチャージをした際に一緒に罰金の払い戻しも勝手にされていました。

払い戻しを受けられる機械は駅以外の場所にもあるので、以下のページから検索してみてください。

罰金の払い戻しを受けられる機械の場所の検索(公式/英語)

いかがでしたでしょうか。
今回はかなり実用的な情報なので、在住者のひとでないとあまりピンと来ないかもしれません。とはいえ他のヨーロッパ諸国に旅行に行く際にも似たような仕組みがあるかとは思うので、その際にどのような点を調べておくべきかの確認としても、ご活用いただけたら嬉しいです。

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