見出し画像

「教団X」を読んだよ

中村文則氏の「教団X」を読んだ。文庫版で600頁近くある大作だった。
寝る前に少しずつ読み進め、2週間かかった。

なんていうか、とてつもないものに溢れている小説だった。
哲学、宇宙、宗教、テロリズム、セックス。そんな重々しいテーマの数々が怒涛のように押し寄せてきて、ひとつの物語に繋がっていく。
視点があっちこっちとするし、ひとつ分からなくなるとずっと意味が分からなくなるので、読むのにたいそうエネルギーが必要だった。

なにもない宇宙に、ある日生じたビッグバン。そこに原子というのが生まれたその瞬間から、我々人類の運命までもが決まっていたのではないか、という部分なんかは読んでいてすごくワクワクした部分だったな。

これだけの作品だからだろうけど、ラストに表記されている参考文献の数が物凄かった。小説を書くのって、そもそもがまず勉強だなぁとか思ったり思わなかったり。

ひとくちに「おもしろかった」と言うのが難しい作品。
ただ、読んで読んでたどり着いたラストの「よっちゃん」の演説シーンがすごく良かった。あそこを読むために読んできたんだなぁと。すごい爽快感があった。

秋の夜長にいかがですか。おすすめしておきますぞ。

この記事が参加している募集

読書感想文

こんな駄文をいつも読んでくださり、ほんとうにありがとうございます…! ご支援していただいた貴重なお金は、音源制作などの制作活動に必要な機材の購入費に充てたり、様々な知識を深めるためのものに使用させて頂きたいと考えています、よ!