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daily and diary

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にちじょうの、にっきです。
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2018年10月の記事一覧

くじらのすみか。

秋や冬の"りん"とした空気感が昔から好きだった。 布団に潜り込んで自分の体温でじんわりと温まっていく瞬間や、寒空の下で体を擦りながら白い息を吐いて過ごす時間、ピリっと晴れた朝の時間に厚着をして歩くこと、オリオン座を目に映したままぼんやりと夜の時間に体を預けるような。 そんなものに、もはや愛おしささえ感じていた。 もちろんそれを愛せるのには、たどり着くべき"あたたかい場所"があるからなのだけど。 音楽に、季節や温度なんていうものを感じることがある。 そういう感覚が好きで、季

まだ知らない世界がある

先日書いた「目には見えないマネー」の使い道をぼんやりと日々考えていて、これまたぼんやりとイヤホンを物色していた。 Shureというブランドのカナル型イヤホンが好みで、10年くらい前に愛用していたのだけど、残念ながら断線してしまっていたから後継機であるSE215という機種を買う足しにするかぁなどとぼんやーり考えていた。 そうして調べていく中で、「中華ブランド」というものが目に入った。 中国のメーカーのもので、どういうカラクリがあるかよく分かってないけれど、数万円で売られている物

目には見えないマネー

noteとは別に、数年前からはてなブログを運営している。 例えば出来上がった音源をリリースした際の説明だとか、解説だとか、そういう活動においてのプラットフォーム的なものになればいいなぁと思ったのだ。 そうしてブログを続けていく中で、Amazonアソシエイトというものの存在を知った。アフィリエイトである。 せっかくだし資本金ゼロだし…と思って始めたものの、好きなことばかり好きなように書いているだけの僕のブログは、ブロガー界隈で言えば弱小中の弱小ブログであるから、たいしたお金に

質問に答えるぞい

peingに質問来てました!ありがとうございます! 内容的にTwitterでは文字数が足りない気がするのでnoteで答えることにしますね。お許しくださいませ。というか、質問してくれた方がnote読んでることを祈ります。笑 では早速。 『1日(24時間)を、完全に自由に使えるとしたらどんな風に過ごしますか?(人体に必要な睡眠や食事もとらなくて大丈夫という設定で)』 これは本当によく考えましたね。こうあれたらどんなに良いだろうと思い続けてきました。睡眠と食事がどれだけ煩わしか

ゆゆゆ、ゆーえすえー。

ひと月かふた月前くらいから、近所のよく行くスーパーで「ゆー!えす!えー!ゆゆゆゆー!えす!えー!」とやたらと連呼されるだっせぇ曲が(褒めてる)流れているなぁと思っていた。 いつ行っても僕が入店したのを合図にしたんかってくらい毎回流れてくるので、だんだん腹が立って来た。 なんなんだこの曲は。こんな曲が流行ってんのか。何がおもろいんや。相変わらず流行りの音楽なんてのは馬鹿しか聴いてねぇんだな…(クソ暴言)。 なんて思っていたら、どうやらその曲は90年代からゼロ年代に活躍したDA

100日続けてよかったな

日記を書くぞぉ、と決めてから昨日で100日目だった。 読み返してみると、日記らしい日記ではないけれど、続けてきて良かったなぁと感じている。 しかしまぁ、こう、誰かに読まれる事を意識して書く文章の難しさは相当だった。自分の頭の中にある映像や感覚を文字に変換するには僕の文章力はあまりにも未熟で、毎日毎日四苦八苦していた(その四苦八苦の究極が「KIJIBATO」だな。笑)。 noteさんが記事を投稿するたびに「◯日連続投稿です!すごいです!」とかって褒めてくれるから続けられたな

銀次郎と、ゆうと。

父には子供が出来たらつけたい名前があったそうだ。 女の子なら『優香』、男の子なら『銀次郎』と。 優香の由来はわからないけど、銀次郎は本宮ひろ志の「硬派銀次郎」が好きだったから、らしい。義理人情に厚い番長、みたいなね。今思えば、父こそ銀次郎みたいな人だったな。銀次郎よりも、もっとコミカルだったけど。 結果、僕も姉も優香や銀次郎にはならなかった。だけど、その名前は犬につけられることになった。 ある日、デパートの屋上で催された里親募集イベントにて、僕らは銀次郎と出会った。雑種の柴

「なるほどよくわかった引き出し」

とあるゲームの実況プレイ動画を見ている。 そのゲームは中学生とかその辺の頃にハマっていたゲームで、物語の重厚さ、キャラの濃さ、それとBGMなんかがツボでよくプレイしていたソフトだ。ただ、物語がどんどん複雑になっていったり、謎解き要素なんかが難しくてクリアすることは無かった。出来なかった。でも、大好きなゲームだった。 その実況プレイ動画は、そんな思い出がいっぱい詰まったゲームをとことんやり込むような企画のもので、物語もきちんと紹介していくし、色んな縛りを設けたりしているから非

ありがとうが足りない

市の清掃センターへ、ゴミ捨てに行った。 空き缶やペットボトル、瓶、ダンボール、そして不燃物。 地区ごとに行っている不燃物回収の日に持っていってもいいのだけど、大量に持っていきたいし、その方が手っ取り早いからと清掃センターへ持っていくことが多い。というか殆どそう。 そうして今日持っていった不燃物の中に、ガス抜きをしていないスプレー缶が紛れていた。フマキラー。殺虫剤である。 対応してくれた白髪のおじさんがそれを見つけて言う。 「これは…穴は開いとらんですよね?」 「あっ、はい

KIJIBATOについて

あ、サウンドじゃ毎日投稿のカウントがされないっぽい…。笑 じゃあ「KIJIBATO」の音源について書くか…。 いや深い意味は無いです。ただの遊びです。 しかし不思議ですよね。例のキジバトの鳴き声ってすごいリズミカル。キジバトの脳内とか歴史に音楽なんていう文化とか概念は無いはずなのに、キジバトの鳴き声は音楽のようだ。 で、まぁ今回の音源ですけどw そのリズミカルな鳴き声をベースにして打ち込みしてみたら面白そうだなーと思っただけなんですけどね。 でもこのキジバトの鳴き声につい

KIJIBATO

鳩が鳴く。 ホーッホホッ↑ホッホ〜↓と、繰り返し繰り返し鳴く。 子供の頃、その音の正体がひたすら謎だった。夕方によく聴こえてきたその音は牧歌的な響きを持ちながらも、夕方という時間が相まりどこか不気味で、一体何の音なのだろうと不安な気持ちになったものだ。 結果、鳩の鳴き声だよというのを誰かから教えてもらうことで不安は消え去ったのだけど、今でもその音を聴くたびに思い出すことがある。 それは、親しい友人がその鳴き声を言語化したある単語のことである。 友人はその鳩の鳴き声を「ス〜プレックス〜」と表現した。 その発想力に僕らは笑った。なんだよスープレックスって、と。 しかしスープレックスという単語は鳩の鳴き声に妙にハマる。一度そう思うともうスープレックスとしか聴こえないくらいにハマっている。特に「プ」の存在感が良い。「プ」がいい感じに間延びしがちな音符を止め、次の音符へと運びやすくしていると思う。「レッ」もいい。「プ」から「レッ」の流れが最高である。 僕らはそうしてあの鳴き声が聴こえるたびに「ス〜プレックス〜」と歌いおどけては、ケラケラと笑っていたのであった。 というわけで聴いてください。「KIJIBATO」。 Gragebandにて10分ほどで作りました。 いやnoteに最初に載せる音源がこれでいいのかwww

Naked。

朝からまたすこしセンチメンタルな気分になってしまった。 父のことである。 あの最期の日のことがフラッシュバックするかのように脳裏に浮かんできて、溢れ出そうな涙をグッと堪えていた。 身内を亡くす、というのがどういうことなのか。 それをどう例えれば良いのかとずっと考えあぐねていたのだけど、ようやくその尻尾を掴んだ気がした。 それは、『剥き出しの状態』なのだと思う。 触れたら敏感に刺激を受ける粘膜のような部分が誰の心の中にも潜んでいる。いつもはいろんなものに守られているから自分

僕は空ばかり見てる

中島みゆき先生が「地上の星」という曲の中で「人は空ばかり見てる」と歌っている。 地上にも燦燦と輝く多様な光(=星)があるはずなのに、それを誰も見ようとせずにいる…という、この荒んだ時代を皮肉ったセンテンスである。 僕は空を見るのが好きで、それはひとつの趣味となっている。光り輝いているはずの地上の星と、空が綺麗だということはまったく別次元の話であって、そこには皮肉や絶望とか希望とかそういうものは孕ませていない。 空を見るのが好き。ほんとにただそれだけの理由で空を見たっていいで

「教団X」を読んだよ

中村文則氏の「教団X」を読んだ。文庫版で600頁近くある大作だった。 寝る前に少しずつ読み進め、2週間かかった。 なんていうか、とてつもないものに溢れている小説だった。 哲学、宇宙、宗教、テロリズム、セックス。そんな重々しいテーマの数々が怒涛のように押し寄せてきて、ひとつの物語に繋がっていく。 視点があっちこっちとするし、ひとつ分からなくなるとずっと意味が分からなくなるので、読むのにたいそうエネルギーが必要だった。 なにもない宇宙に、ある日生じたビッグバン。そこに原子とい