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ペン字の要点①【ペンの持ち方の考え方】
ペン字の要点ということで、デジタル化が進めば進むほどかえって希少になっていくアナログな手書き。
デジタルな現代の文字はもはや(スマホなどで)触れるという時代にまで来ているのでしょうが、文字を書くという行為は失ってはいけないものだと思います。
そんな手書き文字の一番身近なものはペン字(ボールペンや万年筆など)ですが、そのペン字を美しく書く7つの方法・考え方を述べていきたいと思います。
第1回は【ペンの持ち方の考え方】です。
基本の土台となるペンの持ち方についての考え方を解説していきます。
ペンの持ち方をとやかく言われてしまいますが…
「美しい文字を書くためには、ペンの持ち方が大切です。」
と、よく言われます。
これはその通りで、道具を使う時は正しい持ち方ができるに越した事はありません。
![ペンの持ち方の流れ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/82555449/picture_pc_8a949af7bdf7dc77f8aab279266518bb.jpg?width=800)
ですが…そうは言っても長年染みついたクセというのは簡単に直るものではないとも思うのです。
かくいう書を30年以上もやっている私としても、ペンの持ち方は「正規の持ち方か?」と言われると怪しい持ち方になっています。
![私の持ち方](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/82243691/picture_pc_a6fda32119d31d6717ba74e8fd740351.jpg?width=800)
↑写真の持ち方が私のペンの持ち方。
パッと見は分からないかもしれませんが、親指を当てる角度が違っています。
これは実は私がマンガ家を目指していた時の付けペン(今はもうタブレットのペンかな?)の線を上手く引くために編み出した持ち方で、その結果、親指の角度が違ってきています。
書道的なペンの持ち方とは違うので、結構長い時間をかけて直そう直そうと頑張ったのですが、未だに直っておりません…。
ちなみに、私の筆の持ち方はもっと変わっていまして、おおよそ日本の書道家がやらない持ち方をしています。中国人の筆の持ち方を踏襲してまして、これが小さな字を書くのに素晴らしく良いのです…!(気になる方は私のブログをご覧ください)
そういうわけで、正しい(とされる)持ち方が出来てはいないのですが、それなりに人に一目は置かれる字を書けるようにはなっています。
これは一つの証明になるかもしれませんが、必ずしも正しい持ち方ありきではないと思うのです。
筆法に定法無し
「筆法(ひっぽう)に定法(ていほう)無し」という言葉があります。
これはそのままの意味で、筆法=筆の持ち方に、定法=定まった方法は、無いという事です。
こういった言葉があるように、必ずしも正しい(とされる)持ち方に無理して矯正する必要はないと思うのです。
いわゆる「型(フォーム)」としては正しい持ち方だけど、そのフォームから大きく外れない、法則を守った自分なりの持ち方をすれば良いと思うのです。
ではその法則とは何か?を説明していきます。
力を「入れる」と「抜く」と同時に行った持ち方
結論から言いますと、
持つ時に「指先に力を入れて」「手のひらの中は力を抜く」持ち方ができていれば良いです。
![力を入れる抜くを同時に](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/82244948/picture_pc_c6e3e1bd3836163aa7bbf347c83390dd.jpg?width=800)
力を入れつつも、抜きながら持つ…という、なんとも矛盾した方法なのですが、これは正規の持ち方も自然とそうなっています。
蛇足ですが、少年ジャンプのハンター×ハンター主人公のゴンが、纏と絶を両方行う…というシーンがあったのですが、これを読んでハッとしたのが、ペンの持ち方も同じだという事でした。(分からない方はすみません…)
要は、「入力」と「脱力」を自然に行った持ち方になっているか?という事です。
逆にこういった条件・法則が守られてさえいれば、一辺倒に正規の持ち方を遵守するという事に囚われなくても良いと思うのです。
でもこれは、道具を持って何か作業する時には自然とそうなっている事かもしれません。
包丁を持って料理をする時、楽器で演奏するときなど、おそらくピアノを弾く時(私は弾けないので分かりませんが)も、指先に力は入れつつも、手のひらは脱力して弾くと上手くいくのでは?と思っています。
パソコンのキーボードを打つ時も、自然とそうなっていると思います。握りっぱなしではなく、ギュッと握る所は力を入れて、だらっと抜く所は力を抜くという条件・法則にかなっていれば自然と流れていく事と同じです。
もっと深い本質的な事を言うと、矛盾するもの、二律背反するものが混然一体となって上手く調和している時に、物事は上手くいくのと同じではないかとも思うのです。
この考え方は、書を上手く書く事にも通じてきます。与えられた空間に文字をどう上手く配置して書いていくか?を行っていく時に、自然とこの法則に叶うと上手くいく事が多いです。
「入り」と「抜き」が自然にできる、あなただけの持ち方を編み出して下さい
以上、どうしても正規の持ち方ができない…ともしお悩みでしたら、これまでの事を参考にされると上手くいく事があるかもしれません。
もちろん正規の持ち方ができるに越した事はありませんが、人は皆それぞれ違います。骨格や筋肉の付き方なども違いますし、年齢でも変わっても来ます。持ち方は変化して当然、むしろ変わって当たり前なのです。
字が上手く書けなくて持ち方にふと悩んだ時、この事をふと思い出してみると解決の糸口になるかもしれません。
まとめ
というわけで、第1回は土台となる【ペンの持ち方の考え方】について解説してみました。
道具を手足のように扱えるようになるためには、理に適った持ち方をしなければなりません。そしてそれは人それぞれ微妙に違うはずですし違わないといけないはずです。
あなただけができるペンの持ち方の一助になればと思います。
【動画を制作してみました】
動画でも説明してみました。ぜひ一度ご覧ください。
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