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読書感想文「三体Ⅱ 暗黒森林(上)


 三体の二巻目。まさかの一巻の登場人物はほぼほぼ出てこないし、ストーリーの舞台も中国を飛び出してほぼ地球全体にスケールアップしました。骨太SFらしく物理用語が連発で、どこまでが実際ある技術でどこからがフィクションなのかわかんなくなりましたが、多分そんなこと考えなくてもいいんだろうなと思います。

あらすじ

 三体世界からの侵攻と智子による監視が始まった地球は対策として国連直下の組織地球防衛軍を設立し、未来の宇宙軍のベース作りを始めるとともに、防衛戦略のため面壁計画を実施する。地球上の全ての情報をリアルタイムで三体へ送ることができる智子から情報を守るためにあらゆる権限を四人の人間に委ねてその頭の中で三体の裏を掻こうという作戦だった。
 ほぼ一般人だったルオジーは目の前で恋人が事故で亡くなった直後、国連本部へと連れて行かれて、面壁者に任命されるが、彼には三体と戦う気はなかった。


 こういう本格的なSFを読むのは久しぶりで、だいぶワクワクしながら読んでいます。持論ですが良いSFというのは自分の中の想像力を拡張してくれる力があるものです。今作で語られる450年後に地球を侵略しにやってくる異星人と戦うために果たして命を賭けられるのか、その時のために今何かするべきなのかという今まで考えたこともなかったことを考えるようになりました、450年後にはもう他の理由で滅亡してるんじゃない?とか冷めた風に思っちゃいますが、環境問題とかはこれに近い考えなのかなとか思います。
 下巻では主要登場人物がコールドスリープから目覚めた未来の話になりそうなので、ますます見たことも聞いたことも、考えたこともない理論や技術が登場しそうでとても楽しみです。

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