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読書感想文「三体Ⅲ 死神永生(上)」

 いよいよ最終章です!

 ルオジーによる暗黒森林抑止によって一旦は危機が去ったと思われた地球だったが、三体人は平和の陰で密かに反撃の時を待っていた。それを食い止める鍵を握るのが階梯計画を立案した若きエンジニア、程心。そして彼女に思いを寄せる末期癌患者の雲天明。ルオジーは全宇宙に居場所を発信する「重力送信システム」のボタンを握る執剣者となっていた。
 
 巻が進むにつれてスケールアップしてきました。流石に宇宙規模の用語とかスケール感とか理解できてきました。光速が秒速何キロだとか、天文単位だとか、カイパーベルトとかオールトの雲だとか。それに加えて今作ではオーストラリアの面積も知れました。
 宇宙の広さと光の遅さから来る時差を利用したトリック(?)がいろんなミステリでも体感したことないヤツでした。面白いね、SFって。
 好きな四字熟語は「伏線回収」なのですが、なんの話やねんって思ってた冒頭の十五世紀ヨーロッパの話をすっかり失念してて、感想を書こうと思ってパラパラしてる時にこの伏線に気づいて、夜中に「あーー!」って声出ました。この繋げ方すごいですよね。スケールのデカさだけじゃなくて小説の技術もエグいなって感じました。

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