「2人で101本の動画をつくれ!?」少ないリソースで施策を進めるポイント【SaaSビジネス経験談 #16】
シナジーマーケティングのプロダクト「Synergy!❐」に関わる様々な職種のメンバーが、自身の経験を元に、ビジネスに役立つ情報をお送りします。今回の筆者は「Synergy!」のPMM(プロダクトマーケティングマネージャー)です!
「Synergy!を知ってもらうためのコミュニケーションチャネルを増やそう!」
当時プロダクトオーナーとPMM(プロダクトマーケティングマネージャー)2名でYouTubeチャンネルを立ち上げ、動画制作をはじめた話です。少ないリソースで物事を進めるポイントをしたためました。
「動画制作じゃないけど、少人数チームで施策を進めないといけない!」
そんな場合に参考にしていただけると嬉しいです。
⚽ キックオフ
それは、2022年8月のことです。キックオフが行われました。
〇決まっていたこと
【スケジュール】
年内には動画投稿開始したい
【制作本数の目標】
101本
(100本ではないのは、弊社のValue「101点のサービス」にあやかって)
【アサインされたリソース】
PMM2名
(動画制作スキルはほぼなし、メインで他の業務をやりながらの遂行)
キックオフでは、以下をすり合わせました。
目的(何のためにやるのか)
ターゲット(誰に向けてやるのか)
方針(自分たちが守るものさし)
キックオフで目的やターゲットを決めることはもちろんですが、方針を最初に決めてすり合わせておいたことが、後々にスピードを落とさず進めることができたポイントです。
● さて、実質2人で101本の動画… どうする?
他のメイン業務をしながら、2人で101本の動画制作は正直無理だと思いました。とはいえ、無理ですとは言いたくない私たち……どうやったら実現できるのか考えました。
そもそも、You Tuberでもなければ、自分たちで動画を作ったことさえもない状態です。まず、趣味のtoC向けのYouTube動画しか視聴したことがない私たちは、BtoBのYouTubeの状況を学ぶところからのスタートです。情報収集は大事。
上記を2人で分担し1週間程かけて情報収集、共有し合いました。
情報収集は、「お尻を決めて進める」「時間の中でできるところまで」と、かける時間やレベル感を決めて取り掛かることが、スケジュールが迫っている中で進めるポイントです。
● 計画する
情報収集によりYouTube開設までの全体像が見えてきたので、次に計画を立てました。
まず、タスクを思いつくままに洗い出しました。言語化できていない「こういうことしておいた方が良いよね」ということも書き出しておくことがポイントです。また、タスク化した時に補足や会話したことがあればタスクの横に合わせてメモを記載しておくこともおすすめします。進める中でこれどういう内容だっけ?となることもあり、とりあえず追記しておくことは後々の自分たちを助けてくれます。(あの時の自分「神」と……)
きれいなタスク表を作成することより、記録しておくことが重要だと思います。
タスクを可視化しておくことはプロジェクトを進行させるために必要なことですが、もう一つの側面としてやること(タスク)が明確になることで不安を払拭する役割もあると考えています。やったことがないことへの不安は、何をしないといけないのかが見えていないことが招いていると思います。タスク化が難しい場合はメンバーと会話しながら一緒にタスク化をするのもひとつです。不安が減れば前に進むことができる!
また、タスク化をする際に合わせて行っておくこととしては、
各タスクは「いつまでに」しておかいといけないのかを埋めておくこと
直近タスクは「誰がするのか」を決めておくこと(前に進めるためにボールを渡す)
週次で定例会を入れるなど、ネクストがある状態を作ること(毎週タスクを分担して次回の定例会を目途に対応するサイクルを作る)
これも重要です。
計画さえしっかりできれば、あとは進めていくだけです。
● リソースの検討
洗い出したタスクの中に「動画を量産する」というものを入れました。
計画時点で2人だけでは量産は難しいと改めて判断し、動画を量産するためのリソースを調達することにしました。
動画の量産に必要なリソース
動画編集ができる
ボリュームに対応できる
リソースは社内だけではありません。社外リソースはコストがかかりますが、社内調整をすることに多くの時間をかけるよりは効率がいいこともあります。今回はボリュームのあるものを一気に制作することと、動画編集のスキルが必要だったため、社外リソースの方が適切だと判断しました。
私たちが今回利用したのは、「オンラインアシスタントサービス」です。
【今回利用したサービスの特性】
他社での動画制作の事例を見つけ問い合わせをし、オンラインで打ち合わせをしました。
そして、自分たちがやりたいことや状況をお伝えしたところ、柔軟に対応してくれそうなサービスということがわかり、お願いすることに決めました。指示書を細かく用意せずとも協議することで汲み取って対応してくれる、スタッフが充実しており適した人材をアサインしてくれる、ということが決め手でした。また、納品物や対応範囲を定めているわけではなく、時間チャージで対応するサービスのため相談もしやすく、今回のようなこちらに知見がない施策でも進めやすく良かったと思います。
社外のリソースにも様々なサービスの選択肢があるため、自分たちの施策と相性が良いサービスを見つけることも重要です。
〇社外リソースを使うメリット・デメリット
【メリット】
作業リソースをまとめて確保できる
他の業務のリソースに左右されない
対応内容に応じたリソースを調達できる
【デメリット】
契約の手間
追加費用発生の可能性があること
製品やサービスの理解がない方への依頼
指示書の準備
● リソースを上手く利用するためにしたこと
限られたリソースを上手く利用していくために、準備/依頼範囲や依頼方法の整理を進めました。
〇量産するための「準備」
制作予定の動画ネタを書き出す(101本以上先に洗い出す)
作りやすそうな動画をピックアップする
まず1本自分たちで作ってみる
作った動画の素材をテンプレート化する
手順に落とす
上記のように、まず制作予定の動画をひたすら書き出しました。
動画ネタを先に準備しておかなければ、制作途中にネタ切れで作業がストップしてしまいます。まずはカテゴリを決め、そこに紐づいて動画ネタを各自書き出していきました。最初に動画ネタが揃っていると安心感があり、制作に集中することもできます。
〇量産するための「依頼範囲の見極め」
基本的には、動画制作のすべてを依頼できるのがベストですが、スムーズに進めるために自分たちでどこまでするか/どの手順をお願いするのが良いかを検討しました。
例えば、「Synergy!の操作動画」であれば大まかな制作手順は以下になります。
1)〜4)はサービスを理解している自分たちで進めた方が良いため、5)〜7)を依頼することにしました。もし1)〜4)も依頼することになると、サービスを理解してもらうところからはじめなくてはなりません。
〇量産するための「効率的な依頼方法」
制作動画一覧
共通ルール
素材テンプレート
制作内容のメモ
制作動画一覧には、制作予定の動画も含め動画ネタをすべて載せました。「コード名」「依頼日」「納品希望日」「素材置き場」「ステータス」を一覧にし、素材提供〜納品を一覧上で行うようにしました。
【依頼】
素材を置いてある場所のURLを動画一覧に追記
↓↓↓
ステータスを「依頼」に変え、Slackで「コード名」を添えて依頼
【納品】
制作動画を置いた場所のURLを動画一覧に追記
↓↓↓
ステータスを「確認」に変え、Slackで「コード名」を添えて報告
また、モザイクを貼るパターンや音楽のフェードアウトなど、動画に共通して適用してほしい制作のルールを、「共通ルール」として定めました。そうすることで、都度制作内容のメモに指示や注意点を記載することが不要になりました。
〇量産を維持するための「改善」
制作依頼&納品の運用が回ってきたところで、オンラインアシスタントサービスのメンバーとオンラインでMTGを実施しました。
制作時に困っていることがないか、制作時に手間のかかる部分はどこか、効率化できるところはないか、よくある修正パターンを議題に会話をし、素材提供時点で改善できる部分を反映するようにしました。結果、制作負荷の軽減と修正確認の手間を低減することに繋がりました。
● やって良かったポイント
このように、計画/準備/社外リソースの活用を経て何とか期間内の投稿開始と、101本の動画制作を達成することができました。
最初は2人でどうする?と頭をかかえましたが、やってみるとできるものだと自信に繋がった経験です。
👆振り返ってみて「やって良かったポイント」
・キックオフで事前に「方針」を決めてすり合わせたこと
「方針」は進める中でとても重要でした。制作をしているとどうしても質にもこだわりたくなります。そういう時に、今は「質<量」を思い出し、修正する/しないの判断をメンバーと共通認識のもと判断することができました。判断や制作のスピード感を落とさずにできた要因だと考えています。
・準備として必要なことはすべて洗い出したこと
タスクはもちろんのこと、制作したい動画一覧や動画投稿のための作業確認など、準備を整えてから開始したことは良かったと思います。動画のネタも作りながら新しいコンテンツを考えるということを並行して行うのは頭の切り替えが追いつきません。101本の動画投稿を達成するための工程として、なるべく取り掛かる前に「洗い出し」をしたことで安心して遂行できたと思います。
・外部リソースを検討/利用したこと
世の中には様々なサービスがあります。社内リソースだけに目を向けるのではなく、社外も含めてリソースを検討し、自分たちに合ったリソースを上手く活用することで効果的に進めることができると思います。
・運用の合間に「改善する」工程を入れたこと
「もっとできることがあるのではないか」と思考を止めないことは重要だと、改めて感じました。今回、運用の途中で制作者と会話をしたことで作業の効率化に繋がり、結果、制作スピードを向上させることができました。決めたものも継続して改善していく。施策には重要なポイントだと思います。
最近は、noteやInstagramにもチャネルを広げ、YouTubeでの立ち上げ経験を活かして進めています。内容は違えど、考え方やポイントは物事を進める上で共通しています。
施策を進める際の参考になれば幸いです。
〇活動サマリ
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