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上腕三頭筋の臨床応用


上腕三頭筋は、ビジュアル的にも機能的にも大変メジャーな筋肉です。

その為、何をすれば効果的に鍛えられ筋肥大が起きるか。
ここまでは多くの方が認知していると思われます。

では、具体的に、何の動作でどの様な作用で機能を最大限発揮しなければならないか。また、その際に長頭なのか、短頭なのか。

ここまで意識しながら臨床で促通している場面に遭遇することは稀です。
※筆者の少ない臨床経験の中での話です。
 ご了承くださいませ。

臨床で上腕三頭筋に対して、
どの様な効果を求めて、どの様にアプローチをおこなっていくべきなのか。

今回は、そんなお話をしていきます。
なので、ボデイメイクの観点ではなく
メディカル的な観点でお話することご理解の上、熟読くださいませ。

そして、、
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①上腕三頭筋機能解剖
②臨床で遭遇する患者のアライメント
③リーチ動作と上腕三頭筋
④上腕三頭筋を用いたその修正法
 1:脳血管患者様に対しての相反抑制
 2:肩関節周囲炎(五十肩)に対して臨床応用
 3:頚椎症状に対しての臨床応用
 4:肘関節後方インピンジメント

Synergist Labo会員限定Instagram内に文献記載

①上腕三頭筋機能解剖



Synergist Labo会員限定Instagramより


上腕三頭筋の起始停止・支配神経は上記画像内に記載しています。

☑︎長頭
☑︎外側頭
☑︎短頭
の三本の繊維束から構成されています。

肩から前腕の近位にまで付着している二関節筋になり
腋窩・橈骨神経支配の二重神経支配の筋肉です。



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☑︎長頭は肩甲骨関節下結節から起始し尺骨肘頭まで。
☑︎外側頭は上腕骨後面から尺骨肘頭まで。
☑︎短頭は上腕骨後面から肘関節包まで。

長頭は二関節筋である為、肩伸展及び内転に作用し
短頭は関節包に付着している為、肘後方の安定性を担い
肘後方インピンジメントの制御
を担います。

短頭は特に上腕三頭筋の中でも最深部を走行する為肘の可動といった関節運動を大きく起こす作用よりも関節内の動的安定性に深く関与していることが特徴的です。


Synergist Labo会員限定Instagramより


筋の配列はこの様になっています。
長頭の肩関節伸展も、短頭の肘関節の関節包に付着し最深部から後方安定性を担っていることも理解できるかと思います。


Synergist Labo会員限定Instagramより
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筋膜の繋がりで見ていくと、上腕三頭筋は
Deep Back Arm Lineに属します。

Deep Back Arm Line
=直訳すると後側の深い部分を走行する筋膜Line

そのため肩では、非常に大切な
ローテーターカフ(棘下筋)と。

遠位ではリーチ動作やその過程のPre Shapingで大切な
小指球筋との連続性があることがわかります。

後述の筋膜Lineを用いた臨床応用で説明

ここまでは、皆様ご周知の上かと存じますので
これを用いて、どのように臨床展開していくのか、、

ここからは、各論に入っていきます。

②臨床で遭遇する患者のアライメント像


もちろん、1人1人バックグラウンドが異なる様に姿勢も全く異なります。

ここでは、
☑︎頭部前方偏位姿勢(上部交差性症候群)
に絞ってお話していこうと思います。


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上部交差性症候群とは、
このように頸部が前方突出しそれに付随して
前・後方、上下の筋群が短縮する現象のことです。

上位頸椎は、頸部の前方凸を代償するように過伸展
下位頚椎は前方凸なので過屈曲する病態のことを指します。

短縮筋と伸張筋は記載の通りです。

では、そもそも何故この様な姿勢になるのでしょう。


Synergist Labo会員限定Instagramより


頭部は、体重の1/10ほどの重さがあると言われています。
そして、人間のワーキングスペースは前方にあります。

※後ろに目がついている人は別ですが、、、

そのため、
必然的に視線は前下方を注視しそれに付随して頸部のポジションも屈曲していくことが理解できるかと思います。

人間の体には、
水平を保つために平衡を保つ機構があります。
そのため、頸部が屈曲しても視線は前方を向くシステムが作動します。

10/18の会員限定セミナーでは、
 もう少し深掘りしてお話しています


Synergist Labo会員限定Instagramより
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これらがあることで、視線は前方を注視できますが、
頸部は屈曲しているので、必然的にそのギャップが上位頸椎の過伸展を生み出し、僧帽筋上部の過活動や肩甲挙筋の過活動に伴う慢性的な肩こりを生み出してしまいます。

では何故、この姿勢と上腕三頭筋が絡んでくるのか、、、

それは、ズバリ

”胸椎の後弯”   です。

https://www.synergistlabo.tokyo
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上位交差性症候群の方は、必然的に胸椎は後弯しています。
いわば、猫背の様な状態になっています。

脊柱に付随している胸郭(肋骨等)は、
ラウンド状になっています。

そして、その上に肩甲骨は付着しています。

となれば、、、

胸椎の後弯が過剰になればなるほど、肩甲骨は外方に押し出されます。


上腕三頭筋の長頭は肩甲骨の関節下結節に起始を持っている為、必然的に起始・停止は近づくことになります。すると、筋は撓み適切な張力を発揮できず必然的に弱化してしまうことになります


そして、冒頭であった筋膜連結に絡めると棘下筋・上腕三頭筋の起始・停止は撓み出力が得づらくなる

となるのです。
そのため、姿勢の改善なくして上腕三頭筋の出力の改善は成し得ないのが理解できるかと思います。逆説的に言えば、上腕三頭筋単体の出力を上げても上位交差性症候群の様な胸椎の後弯が過剰に出現する姿勢のままでは、十二分に効果を発揮できない

とも言えるかと思います。


上腕三頭筋と姿勢の関連性は理解できたと思います。

では、リーチ動作と上腕三頭筋にも触れていきます。

③リーチ動作と上腕三頭筋


リーチ動作は、何か前方や後方にあるものを把持する際に用いる動作です。すなわち、体幹から離れた場所にある目標物に対して、上肢をリーチすること。
となります。

当然、遠くのものを取る際に肩が屈曲し、肘が伸展するのは容易にイメージがつくかと存じます。

では、その際の肘の伸展角度はどの程度伸展していれば理想的なのか、、
そして、何故伸展しなければならないのか。
これを考えていきます。

リーチ動作には、
大きく分けて5つの相があります。

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①感情とのオリエンテーションと環境把握
②自己の現状の把握と身体システムのスキャン
③リーチ先とのオリエンテーションで関係性を脳内で構築
④Planning
⑤運動の遂行
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Synergist Labo会員限定セミナー(リーチと体幹機能)より引用
文献本文記載
Synergist Labo会員限定セミナー(リーチと体幹機能)より引用
文献本文記載
Synergist Labo会員限定セミナー(リーチと体幹機能)より引用
文献本文記載
Synergist Labo会員限定セミナー(リーチと体幹機能)より引用
文献本文記載
Synergist Labo会員限定セミナー(リーチと体幹機能)より引用
文献本文記載


※詳細なリーチ動作のメカニズムは10/18のリーチセミナーでお話します。

ここで必要なのが、プレシェーピングの理解になります

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