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愛は『死』である

あなたは『ヴィンランド・サガ』をご存知でしょうか?

月刊アフタヌーンで連載されている
11世紀の北ヨーロッパと周辺地域で
猛威を奮っていたヴァイキングたち
の生き様を描いた歴史漫画です。

かなり歴史に忠実に書かれており、
主人公のトルフィンはアイスランド商人の
ソルフィン・カルルセフニ・ソルザルソン
という実在した人物をモデルにしています。

ヴァイキングの歴史背景などの勉強にもなる作品です。

作中でヴィリバルドという神父が登場するのですが、
その神父は、

「愛とは死である」

という言葉を言っています。

彼はクヌートというデンマーク王スヴェンの息子に

「正しく愛を体現できる者はどこにいるというのだ?」

と問われました。

神父は

「そこにいますよ」

とある方向を指します。

そこには死体がありました。

「彼は死んでどんな聖者よりも美しくなった。愛そのものと言っていい」

「彼はもはや憎むことも奪うこともしません」

「彼はこのままここに打ち捨てられ、その肉を獣や虫に惜しみなく与えるでしょう」

「雨風に晒されるがまま、それで一言半句の文句も言いません」

「『死』は人間を完成させるのです」

人は死ぬと屍しか残りません。

屍は動くことも言葉を発することもしません。

そして、

屍はその身に付いている肉や骨を
狼や烏などの動物に平等に差し出します。

そこには好意や憎悪といった感情は介在しない。

これこそが『愛』であるとその神父は言っています。

言うまでもなく人が生きている限り
到達することのできない領域です。

では、

私たちが考えている『愛』とは
いったい何を指しているのでしょうか?

クヌート王子はさらに問います。

「ならば親が子を、夫婦が互いを、ラグナルが私を大切に想う気持ちはいったいなんだ?」

神父は言いました。

「『差別』です」

「王に諂い奴隷に鞭打つことと大して変わりません」

「ラグナル殿にとって王子殿下は他の誰よりも大切な人だったのです。恐らく彼自身の命よりも」

「彼の、あなたに対する心弱い想いは、『差別』です」

          
          
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『2021/10/2 Synapse.コラム』
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■ 目次

1、ターゲッティングは『差別』

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一見すると荒唐無稽な話です。

「じゃあこの世に愛なんてないじゃん」

と思うかもしれません。

ですが、

この話はかなりビジネスの核心を
突いているのではないかと私は考えています。

言うまでもなく、

お客様になにか商品を売っていくためには
『ターゲット』を絞っていかないといけません。

コーヒーが欲しいと言っている方に
味噌汁を持って行ったって怒られてしまいます。

iPadで絵を描きたいと言っている方に
紙とシャーペンを渡したっていらないと言われます。

誰も彼もが味噌汁や紙とシャーペンが
欲しいわけではありません。

コーヒーが欲しいと言っている方にはコーヒーを、
iPadが欲しい方にはiPadを提供しなければ、
お客様はお金を払ってくれません。

明確に『差別』をして戦略を立てていかないと
ビジネスが破綻してしまうのです。

これをビジネスの世界では、

『ターゲッティング』

と言います。

そして、

『ターゲッティング』をしていく上で、

『ペルソナ』

を考えていかなければなりません。

『ペルソナ』とは顧客となってくださる方の人物像のことです。

以下のことを考えていきます。

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・年齢:25~29歳

・性別:男性

・出身:日本

・職業:サラリーマン

・居住地:東京都江東区

・貯金:0~49万円

・運動:しない、誘われたらする程度

・好きなタイプ:芸能人だと浜辺美波

・音楽:好きなアーティストはいない、最近流行りの曲を話を合わせるために聴く程度

・YouTube:動画は投稿していない、節約術や資産運用、ライフハック系の動画、裏世界ラボなどのマンガ系動画をよく観る

・Twitter:自分では特に呟かない、ビジネス系アカウントや恋愛ノウハウ系アカウント、ニュースをよく見る

・Instagram:自分から投稿はしない、友人やライフハック系インスタグラマーのアカウントを時々見る

・TikTok:自分から投稿はしない、女子が踊っている動画をよく観る

・Facebook:昔はやっていたが今はアプリを開いてすらない

・ゲーム:最近はスマホゲームを主にしている、流行っているものはとりあえずやっている(最近だとウマ娘)

・マンガ・アニメ:暇があれば見ている(ヤングジャンプ系)

・テレビ:帰ったらとりあえず点けて適当に眺める、最近だとハコヅメを楽しみにしていた

・動画配信サービス:2つほど課金している、主に海外のオリジナル作品を観る

・飲酒:毎日飲む、冷蔵庫に必ずビール5缶は常備

・掃除:2週間に1回程度

・備考:

会社に勤めるのが嫌になり独立したいと考えているが、具体的に何をしたいか見えておらず一歩を踏み出せないでいる。SNSを使って情報収集して生活に取り入れてみてはいるものの習慣化に失敗してばかりで先に進めていない。社内に気になっている女子がいるが、自身のポジション的に高嶺の花になっている。

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まだ詰めていくこともできますが、
長くなってしまうので割愛させて頂きます。

このように、ヴィリバルド神父が言うところの
『愛』はビジネスには存在していませんが
『差別』はどんな大企業も行っています。

トヨタだって差別してますし、
スターバックスやAppleだってしています。

『差別』しないと売上は上がらないのです。

逆に言えば『差別』をすればするほど、
大きく安定した売上を出すことが可能になってきます。

まとめます。

====================

愛≠ターゲッティング

差別=ターゲッティング

====================

人を大切に想うためには他の人間と
『差別』していかなければ成立しません。

ビジネスだとモノが売れないというお話でした。

あなたも、

「商品を売るためには『差別』をしていかないといけないんだ」

という意識でビジネス戦略を立ててみてください。

たっつん



追伸:

ちなみに冒頭で挙げた『ヴィンランド・サガ』ですが、

2019年9月時点で単行本の累計発行部数は550万部を突破

2009年に『第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門』大賞を受賞

2012年に『第36回講談社漫画賞』一般部門を受賞

というすごい作品です。

テレビアニメは

・Amazon Prime Video
・Netfilx
・ひかりTV

で配信されており、

進撃の巨人Season1からSeason3までを
手掛けたWIT STUDIOが制作しています。

戦闘シーンは圧巻で頭を空っぽにして観ても
非常に楽しめるので、ぜひ視聴してみてください。



★ブログも見てね

https://synapse.salon/blog


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