[読書メモ] 夏物語 / 川上未映子
芥川賞作家の川上未映子による長編小説。メメント・モリ(死を意識することで今を大切に生きる)をテーマにした小説はこれまでにも多数存在するが、本作品は「生まれる」ということを単純にポジティブな事象として捉えきれないことを気づかせる。物語としてのエンターテイメント性を提供しながらも、哲学書のような性質をあわせ持つ唯一無二の文学作品。読者は人権に関わる価値観の再構築をせざるを得ないほどに感情を揺さぶられる。
感想と考察芥川賞作品の「乳と卵」を読んだときは女性にお勧めしたい小説だと感