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君のいろ

よく見慣れた 指先のくびれ

癖の直らない 後ろ姿

何でもないような君の景色が

月並みな表現だけど “きれいだ”と思う

手に触れられない 君のいろ


嬉しくて スーパーボールみたいに弾む手足

檸檬のような 瑞々しい髪

シロツメ草で包みたくなるような 切ない輪郭

いつもの風景にある 君のいろ

横にいるぼくが 幸せになるいろ


そんなに柔らかく笑うから

飲み込んでいる言葉が 唇をつついてくる

映画みたいに 君が彩るたくさんの場面

街灯の下 石畳を蹴って歩く駅までの道

奥まで進まないと見えない 秘密の丘陵

虹色に輝く 海岸沿いの国道


明けていく空を見つめながら

いまこの時に祈っている

ただ君のその幸せな色が

いつの日もそばにありますようにと



君の色を僕に溶かしたらこんな写真になった

いつか一緒に観てくれたら嬉しい







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