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青睡蓮

そっと触れられた 心の端の方

螺旋にうずまく先の見えない階段で

乗り換えのきかない列車の中で

あるかもわからない 何かに囚われる

疎かにしてしまっていた ぼく自身と

さよならばかりの夏休みに

寄りかかって 倒れそうになって

力量を知った気になっていた


きっと ぼくが知らないだけ

見ようとするのでなく 見ないようにして

のぼり詰めた先に あの青い花の香り

横になる必要もないくらい

ここに溢れている平和は

ガタくつこともなく 安定の一途

おっとりと そしてたおやかに


そういう日だって欲しいじゃないか

鬱陶しい暑さと 湿気が攻めてくる

いよいよ どうにかなりそうで

上澄みだけすすって やり過ごすのは限界

青さにすがるのも限界

きっと来る秋は


もう 激しくないのをお願い












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