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叶わない薄荷色の想い

眠れない夜には

我慢しないで

いい気分になれる

薄荷味のキャンディーを食べる


どんなに甘いキスも

嬉しくて恥ずかしくなるような絡まりも

じっとしていられないような高揚感も

西日が沈んだあとに食べる

薄荷味のキャンディーには敵わない


可能な限り長く

舐めていたいんだけど

割れて砕けて 舌に散らばる

なんとも言えない

愛しい儚さ


キスする前に

ミントを噛るのとは ちょっと違う。

濃厚な蜜の甘さと

ネイビーブルーみたいな

外国の香りが漂う

行ったこともないような

外国のきらめく香り


カリッとひとくち

舐めてもトロける

内側に隠した薄荷のやさしい刺激

心地よく踊る

ローソクの明かりと共に


ぼくの迷子になった心は

口のなかでころがる やさしい薄荷味を

ガリッと噛み潰してしまう

なくなってしまう前に

いくらでも味わいたい

低刺激なやさしさ

ルイボスティーの箱は見えないように倒した







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