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ノスタルジック

いつかの景色を 頭の手帳で探る

まだ温かい記憶をすくいあげて

つたない言葉でも 書き留めておこうと踠く

“来年はもう思い出せないかもしれないから”

いつかの景色は 気付けば違う香りに

なでられた背中は いつの間にか押されて

ラケットで跳ね返したくても 出来ずにいる


その頃の景色が気になって ここまで来た

のらりくらりして現実逃避してた訳じゃない

場所を見失って立ち止まっていた訳でもない

いつもよりちょっと 扉が重たかった

はじめてのような気がするほど 胸が痛い 

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香りは記憶を呼び戻して

なびく髪の やさしささえ

ライトアップされた階段の踊り場に 甦る

ずっと待っていた たぶん初めからずっと


知りたい素振りくらい見せてよ

あれから何度も願ったけど

笑う横顔はいつも いつだって

せつなくも 他の人に向けられていた

煮詰まる前の 心に戻してほしい


何気ない毎日 何気なく毎日

練習してるんだろうな していくんだろうな

ルーティーンじゃない明日は

よく見れば もうほらそこに


“秋”









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