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婚活


つい最近、彼氏ができた。
実に6年半振り。
私はその間、ほぼずっと
婚活し続けていた。


始まりは何だったのか
もう忘れてしまったが、
やたら合コンを開催している女性と知り合い
「せっかく誘ってもらってるし…」
「今回はいい人がいるかもしれない」
と、誘われるたびに参加し
合コンスパイラルに陥った。
合コン後に2人で食事に行くも次に繋がらなかったり、
男性側が自衛隊オンリーの合コンで
効率の良い筋トレ情報だけ得て帰ったり…
中でも、
「俺、めっちゃ面白いって言われるんだよねwwww」
と自己申告する男がいたのが
1番の地獄合コンだった。
無理やり笑顔を作った反動で
帰り道、頬の筋肉がピクピクしていた。


街コンにも何度か参加した。
ある会で、
互いに1番気になると名前を書いて
連絡先を交換した男性には、婚約者がいた。
他に出会ったのは、
勤務先の自慢が止まらぬ者。
私が住んでいる都市をやたらdisる者。(何しに来た?)

結局、街コン終わりに行う
友達との反省会が1番楽しい。

私の成果はなかったものの
一緒に参加した友達がお相手を見つけ、
数年後に結婚。今ではお子様もいる。めでたい!


他には、
友達の彼氏から男性を紹介してもらって
LINEを交換。
以前設定していたアイコン一覧から
ツインテールしている写真が2枚出てきて
会う前に萎えたこともあった。
上目遣いの自撮りがうますぎる。
これは間違いなく玄人だ。
「私はどうしてツインテールと
ご飯に行かにゃならんのだ…」
流石に、当日はツインテールではなかったが
まるでその気がなくなってしまった私 vs ツインテール
2時間に渡る耐久レース。
紹介してくれと言ったのは私なのに
本当に申し訳ない…
ここで懺悔させてもらおう。


そうこうしているうちに、
仲の良かった元彼と
ヨリを戻さないか、という話に。
数ヶ月待つも結局振られる始末。
元々高くない自己肯定感 大暴落。
正月早々、親友に話を聞いてもらい
マクドナルドの脆弱なWi-Fiで
マッチングアプリをダウンロードしたのも
もう4年程前の話だ。


最早数えるのも怖いが
マッチングアプリ婚活において
1回きりの人、2〜3回の人含めて
会った人数は30人を超える。

一番パンチが強かったのは、登山が趣味の男性。
「こっちを先に食べて」
「ピザはアツアツのうちに食べて」
と食べる順番を指定してくる時点で
もう嫌気がさしていた。
さらに、
どこかの山を登頂した自分を撮った動画を再生しつつ
登山の魅力を語ってくれるのだが…
「地球に…遊んでもらってるっていう感覚?」
ここで渾身のドヤ顔である。
無いわ。無い。これは無い確定。

こうなるともう面白くなってきて
「アプリでどのくらいの人数会いました?」
と聞いてみた。
「僕そういうことは聞かないようにしてて…
今日、僕は◯◯さん(私)に会いにきていて、
一応、◯◯さん(私)は
僕に会いにきてくれているわけじゃないですか。
その質問は"ナンセンス"じゃないですか?」
はい。あだ名"ナンセンス男"に決定!
最終的に、
お互いに友達を連れて合コンしましょうと言われ、
「私に会いにきてるんじゃなかったんですか????
その提案は"ナンセンス"じゃないですか????」
とナンセンス返ししたかったが、
グッと堪えた。大人なので。
貴様に紹介したい友達はいない。
即座にブロックした。

他にも
心の中であだ名をつけた人が多数いたので
その一部を紹介しよう。

諸見里師匠
→芸人の諸見里さんに顔が似ていたため。
パンクブーブー
→芸人のパンクブーブー佐藤さんに顔が似ていたため。
福くん
→鈴木福くんに顔が似ていたため。
えなりくん
→えなりかずきさんに顔が似ていたため。
有吉さん
→芸人の有吉弘行さんに顔が似ていたため。
 ⚠︎私が話をふると一言で返ってくるため
  "全ての会話を無に返す人"とも呼んでいた
せいや
→霜降り明星せいやさんに喋り方が似ていたため。
 なお、せいやさんと違ってトーク力は皆無。
ふぉ〜ゆ〜
→LINEで「そういう」「こういう」と打つべきところが
 全て「そーゆー」「こーゆー」になっていたため
 ⚠︎顔は似ていない
製麺機
→小型製麺機を個人で所有していたため
ギャランドゥー
→ギャランドゥーがありそうな見た目をしていたため。
 ⚠︎実際にあったかどうかは定かではない
青年海外協力隊
→新型コロナウイルス感染拡大によって
 叶わなかったようだが、
 青年海外協力隊に合格していたため。
鬱映画好き男
→そのままである。



婚活している間に
すっかり結婚適齢期を迎えてしまった私に
友人から届いた結婚式の招待状。
参列すると、
新郎友人の中に素敵だなと思う人がいた。
運良く話すきっかけがあったこともあり、
友達にアシストしてもらいつつ
何人かで新郎新婦のお家に遊びに行って
距離感を縮めようと試みた。
そこまではよかったのだが…
気になる彼ではなく、
その友達の方からご飯に誘われ、
断ってしまったので
どう動くこともできなくなった。
(その方は結婚相談所で素敵な方と出会い、
結婚したらしい。おめでとう!)


婚活疲れも甚だしく、
流石にちょっと休憩しようかしら…と思い始めた頃。
先述の新郎新婦の間に生まれたお子様に会いに行き、
共通の友人が結婚相談所に登録したという話を聞いた。
その子は言ったそうな。

「やっぱりさ、女性は20代の方が
需要があるって言うじゃん?」


…刺さる。刺さりすぎる。

将来的に子どもが欲しいと思う私。
2ヶ月後に29歳の誕生日を迎える私。
正直、
ママになった友達の幸せオーラに
心がやられるかもと覚悟していたのだが…
(それは杞憂におわった)
違う方向から刺された気持ちだった。

本気で結婚相談所登録を考えようと
2社の資料請求をするも、
HP記載の内容と対して変わらず。
個人情報を明け渡しただけになってしまった。
そこそこのお金がかかることなので
悩みに悩み、優柔不断を発揮し、全く決められず。
「アプリ婚活さえうまくいけば、
もう悩まなくていいのに…」
と現実逃避にアプリを再開する始末。


そして、
あるマッチングアプリで今の彼に出会った。
3回食事、1回少しの遠出をしたが、進展なし。
その次、食事からのカラオケに行った帰り道、
痺れを切らした私が催促。
5回目でお付き合いに至った次第だ。

極度のめんどくさがり屋だし、
察する能力は無いし、
背は高くないし、
ビール腹で 手はクリームパンみたいだし、
顔も好みな訳じゃないけれど。

穏やかで居心地が良く、
互いに笑顔でいられる。
そして何より、
私と一歩踏み出してくれた彼を
大事にしたい。

今までの経験上、
私に倦怠期が訪れるのは交際1年。
関係をこれからずっと続けていくことができるのか、
私にも誰にも分からないけれど。
続けていく、歩み寄って行く努力は
最大限したいと思う。



さて、ここまで
長きに渡る婚活を振り返ってきたが、
私はどうやら
久しぶりの彼氏に浮かれてしまっているらしい。
そんな自分、気持ちが悪くて嫌気がさす。
でもね、これだけ苦労したんだ。
少しだけ浮かれさせてくれ。頼む。
今だけだから。頼むよ。