日帰りで香港に行ってきた。
読んで字のごとく、先日日帰りで香港に行ってきた。
香港のディズニーランドに、ひとりで、日帰りで、行ってきた。
字面だけ見ると、え?何かの罰ゲーム?と思う人もいるかもしれないが‥‥そんなわけはない。
そんなわけはないどころか、これが実に楽しい旅行だったので、ちょっとした旅行記的なノリで記事に残しておこうと思う。
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事の発端は会社の後輩のひと言
事の発端は、会社の後輩が「香港往復3万で行けるみたいですよ。」と教えてくれたことだ。
香港エクスプレスという格安航空のタイムセール。
確かに「香港ディズニーのハロウィン行きたいんだよね~」と思ってはいたが、そんな都合よくチケットが取れるものかと少々疑いの目を向けるも、本当にお安い。
ああ~、どうしよう~~と口では言いながら、既に右手は「次へ」のボタンをタップし、左手にはクレジットカードを持っていた。ということで‥‥
〈香港行き 即決☆〉
金額的にも、日程的にも、今の自分の生活スタイル的にも、迷う理由がどこにもない。善は急げといったもので、飛行機さえ予約してしまえば、あとは行くしかないのだから、これでいいのだ。(心の中に眠るバカボンパパをここぞとばかりに呼び起こす)
少なくとも、20代独身のいま、このフットワークの軽さに身を委ねなかったら勿体ないと、わたしは思っている。
ただの言い訳かもしれないけど。
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宿泊の予定は毛頭なく
にしても、なんで日帰り?と思うだろう。
恥ずかしげもなく本音を言うと、ひとりでホテルに泊まるのは、寂しいからである。これ以外の理由は特にない。我ながら可愛い()
その割には「ひとりディズニー」は何の躊躇いもなく行けるのが謎であろうが、わたしの中の基準として、"ひとりでディズニーランドを回る"のと、"ひとりでリゾートホテルに宿泊する"のとでは、圧倒的に後者の方がハードルは高い。
それに、当たり前過ぎる話ではあるが「宿泊」をしないと、旅費が一気に安くなる。ひとり旅と思えば、削れる費用はできる限り削りたいところだ。
中には「航空券+ホテル」で、元値より大幅に値下げしてくれるプランもあるが、今回はそういうわけでもなかった。
また、日帰りで海外旅行という非日常感を味わってみたかったというのもある。
まぁ結論からいえば、どう考えても疲れる(自明)ので、次回以降はよっぽどのことがない限り、弾丸日帰りの海外旅行は控えようと思うわけだが。
それでも、金曜夜の定時まで普通に仕事して、数時間後には香港、翌日には自宅に帰って手越復活のイッテQを観ている…なんていうバグ過ぎる時間軸が面白すぎて、ちょっとばかりクセになってしまうなとは思った。
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となると、荷物もないわけで
だが、上記のような日程で旅行をすると、必然的に持ち物も少なくなる。
着替えを持って行く必要がなくなるわけで、それに伴いあれもこれも要らないんじゃないか?と思えてくるのだ。
わたしは以前こんな記事(↓)を書いたことがあり、それでなくとも荷物は少ないタイプなのだが‥‥今回は拍車をかけての軽装備だった。
そうして準備をしてみた結果‥‥
ずばり、スマホとパスポート、以上。
よく海外旅行前の持ち物チェックで「最悪、スマホとパスポートさえ持っていれば大丈夫だから!」なんてな台詞を聞くことがあるが、リアルにこれだけ(これしか)持っていかずに行く旅行を自分が経験することになるとは思わなかった。
一応何かのため(海外旅行の保険に入っているという理由もあり)、クレジットカード1枚は余分に持っていったが、その他「現金」というものを含めて、まじに持っていくものがなかった。
ちなみに、香港のキャッシュレス化は本当にすごくて、市内のバスやMTRに乗る際も、ApplePayで乗車可能、つまりはスマホ1つで事足りてしまうのだ。
香港旅行のブログなんかを拝見すると、おそらく多くの方が「オクトパスカード」なるものを現金で購入し、そこにチャージしていくのが良いとオススメしているが、わたし個人の意見ではVISAかMasterのタッチ決済ができるクレジットカードをスマホに登録させていくのが、圧倒的にラクだと思うし、この方が安全。香港旅行を計画している方はぜひ試してみてほしい。
そんなわけで、これから海外旅行に行く人とは思えない格好で空港に向かったわけだが、特に税関で止められることもなく、何の問題もなかった。
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着いて早々、暇
香港への到着は早朝5時。
予定ではここで仮眠でもしてからディズニーランドに向かおうと思っていたのだが、香港の朝マックで優雅にコーヒーとソーセージエッグマフィンを食してしまったら、どうにもばっちり目が覚めてしまった。
ということで、旅が始まって早々に暇になった。
ということは、わたし的ひとり旅の本領発揮というわけで…予定調和な旅から一転、Googleマップを封印して、街中に飛び出してみようと思い立った。
早速空港から市街地に出るバスを見つけ、目的地であるディズニーランドからあまり離れ過ぎない路線を目指してみることに。
時間的にも場所によっては日の出が見られるのではないかと思い、どこかで太陽を拝もうと企んだのだ。
しかしいうても朝6:00〜7:00のことだから、お店はどこも空いてないし、人通りも驚くほど少ない。
が、これといった目的を定めず、気になったバス停で降りてみる、気になった駅で降りてみるというのは、都内でやっても、異国の地でやっても楽しいものだ。
スケジュール通りに、すべての予定がぴたりとハマっていく旅も悪くはないが、個人的にはその場その場の出逢いと思い付きに委ねる旅が好き。
そうして以前、同じ香港で飛行機を逃すという大事件を経験したこともあった(小声)が、それはそれで笑いのネタができただけの、ひとつの思い出だ。
今となってはそんな懐かしい記憶も微かに思い出しながら、目論み通りばっちり日の出を拝んだりしていたら、暇な時間はあっという間に過ぎた。
そうして、いよいよハロウィンイベント開催中の香港ディズニーランドに足を運ぶわけである。
で、このあたりで一応家族には連絡しておいた。
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ようやく夢の国
香港への入国から約3時間ほど、既にお腹いっぱいな気もするが、本番はこれから。
旅の目的である、香港ディズニーランドに向かった。
日本のディズニーランドとは異なり、海外のディズニーパークは基本的にいろんなことが、ゆるい。中でも香港は特別に、ゆるい。
特筆すべきは、とにかく空いているということ。
日本のように開園の何時間も前から長蛇の列を作ることはないし、アプリで何か登録して、何分前に抽選して‥‥みたいなことが、ほぼない。
その代わり(?)、その場その場で近くにいるキャストにガンガン質問して、明確な答えが得られるまでガンガンに話しかけることが、ある種「香港ディズニーランド」という場所を攻略するための必須条件ともいえるわけなので、好き嫌いというか、得手不得手が分かれる"夢の国"だろうとは思う。
が、その点"ひとりディズニー"に何の疑問も抱かないわたしのような変人には、これっぽっちのストレスもないパークなのである。
そうして、もはや一緒にきゃーきゃー言える同伴者もいないとなれば、ここはひやすらにオタク視点全開の回り方をしても良いだろうということで、あなたは視察にでも来たんですか?と言わんばかりのテンションで、あらゆる装飾、あらゆるショー、あらゆる"こだわり"をのんびりと見て回った。
何を急ぐわけでもなく、コーヒー片手にベンチでのんびり。
たまに登場してきたキャラクターに手を振ったり、隣に居合わせたゲストとお喋りしたりしながら、わたしだけの香港ディズニーを満喫した。
中でも面白かったのは、アメリカから遊びに来ていた家族と過ごした一幕だ。
天使かと見間違う可愛さの小さな女の子と、女神かと見間違うほどお綺麗なママがふたりでぼーっと日陰のベンチに座っていたので声をかけてみたところ、パパがどうしても「ビッグ・グリズリー・マウンテン(香港のビッグサンダーマウンテンみたいなやつ)に乗りたい!」というので、ひとりでシングルライダーに行かせて待っているというのだ。
おそらく天使のような娘は身長制限的に乗車不可能だったのだろう。
それなら一緒にパパが乗っている様子を見にいこうと行って、天使・女神・変なDオタチビ日本人という謎の3人組で、ジェットコースターの走路が見える場所まで移動した。
天使は何を気にする様子もなく、その辺に飛ぶ蝶々やシャボン玉を追いかけまわしていた(行動まで天使すぎて尊い)のだが…やはり女神は、わたしがひとりでディズニーランドに来ている様子が気になったらしく、気付けば今年1年のいろんな出来事をつい彼女に喋ってしまっていた。
最終的には「その行動力があれば、あなたの人生は明るいわ(意訳)」みたいなことを言われて、まじの女神的対応に勇気づけられる始末。
「ディズニーランドまで来て変な話してごめんね」と謝りながらも、この出逢いだけでも香港に来てよかったなと思った。
そしてやっぱり、誰かと楽しみを共有できる旅のほうが良いに決まってるよな、とも思った。
だってパパのこんな写真を撮って笑い合える人がいるなんて、最高じゃん‥‥
そんなわけで、わたしのこのディズニー好きを共有できる相手をちゃんと探そう~とも思えたし、あの素敵すぎる家族に(パパの)おもしろ写真をプレゼントすることもできて良かった。
ディズニーランドの醍醐味は、ゲスト同士の交流にあり。
そういうこと。
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マジで日帰りするんだ
そんな素敵な出逢いもありつつ、観たかったショーもすべて鑑賞できて、人生2回目の香港ディズニー、人生初めてのひとり海外パーク、これにて一片の悔いなし、という感じだったのだが。
いよいよ日も落ちてきて、パーク内のムードも一段と美しさを帯びてきたところで、「え?俺マジで今日日帰りするの?」となった。(今さら)
これだからディズニーマジックは怖い。
完全に帰りたくないムーブが発動してきている。
手元のスマホは、フライトまであと5時間です、とか通知してくるが、今はどう考えてもありがた迷惑。こうなればギリギリまで楽しんでやる‥‥!と、急にわたしの中の"若者パワー"がさく裂し、それまで優雅に過ごしていた日中の様子から一変、5分待ちのスペースマウンテンで思い切り叫び、馬鹿でかいチョコレートアイスサンデーを頬張り、夜限定のクラブのようなショー(香港ではハロウィン期間中、"House of De Vil-lains"というゲスト参加型のクルエラのショーイベントが行われているよ)で、隣に並んでいた韓国人ガールズ2人組と踊るなどしてきた。(何してんの)
やはり人は追い込まれたときにこそ、力を発揮する生き物なのだ。
火事場の馬鹿力、背水の陣(という表現が適切かどうかは置いといて)は、明らかに人を強くするなと、フライトまでのカウントダウンが始まった夜の香港ディズニーで学ばされた。
結果本当にギリギリまで遊んでしまったので「ヤバい、飛行機の時間が迫り過ぎている!このままじゃ(また)香港で飛行機を逃してしまう!」と思い、最後は空港までかっ飛ばしてくれるUber頼りとなり、日中の優雅さはどこ吹く風。
気前の良い兄ちゃんドライバーを無事捕まえ、マジの爆走。マジの感謝。
一般に香港国際空港からディズニーランドまでは車で20分から30分と言われているが、頼めば14分で送り届けてくれることが分かった。(危険☆)
これにはわたしも気前良くチップを渡してあげたのだが、あとからこんな可愛い通知が来ていた。
ありがとう香港。
ありがとうUberのお兄ちゃん。
冗談抜きで本当に日帰り弾丸の香港旅行となったわけだが、なんだかいろいろ、楽しかった。
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帰国、錯覚、現実
さて、Uber兄ちゃんの頑張りもあり、何事もなく帰国の便へ。
「Have a good night.」という彼の優しい台詞に「You too.」と返し(海外旅行でわたしがいちばん好きなやり取り)、我ながら慣れた手つきでチェックインを進めることができた。
一方無事搭乗ゲートまで着くと、一気に体力の限界を迎え、離陸前からすっかり夢うつつな気分でぽや~っとしていたのだが、そんな中、あー、やっぱりこの日常的な非日常感、堪らんな~などという想いを巡らせていた。
わたしはディズニーの名曲「it's a small world(小さな世界)」の曲が大好きで、世界のせの字も知らない田舎で過ごしていた幼少の頃から、一丁前に「世界はせまい、世界はおなじ、世界はまるい」を豪語していた。
そのアホなマインドがあってか、(まだ飛行機すら乗ったことがない頃から)海外に出るということにそれほど大きな壁を感じることがなく、近所のコンビニに行くのも、海を渡るのも、同じ地球上なら極論どちらも変わらないだろうと思い続けている。
まぁ自分自身を振り返ると、英語力的にも経済力的にもある程度の限界があるので、実際はそんな調子に乗ったことばかりは言えないのだけれど‥‥
おかげさまで自分の周りには、非常に面白い人たちが集まってきてくれていて、わたしが日帰りで香港に行っている間だけでも、ひとりはロンドンから帰国し、ひとりはドミニカ共和国に滞在し、ひとりはシンガポールに旅立ち、ひとりはカリフォルニアへ向かい、またあるひとりは同じ香港にいた・・・というフッ軽ぶりを見せつけられている。
わたしの「香港に来ちゃいました」というSNSの投稿に対し、世界各国に散らばっている友人各所から、「私も今着きました」とか「来週会える?」とか「俺も来月行くね」などという(別に香港と直接関係ない)連絡がリアルタイムで送られてくると、本当に"小さな世界"に生きているんだ、ということを実感して、どうにも嬉しくなってしまうのだ。
この日常に起こる非日常感が、わたしは大好き。
今回はあまりの弾丸旅行で、出発から帰国まであっという間。
自宅に着いて、シャワーを浴びてひと眠りしたあとで、「あれ?わたし本当に香港行ってきたんだっけ?それとも夢?」と、本気で錯覚したが。
急に増えたカメラロールの写真と、そんな友人らからのしょうもない面白いメッセージ履歴を見て、いや、現実だったよな、と。
これだから、ディズニー好きも、旅好きも、友達付き合いも、やめられない。極論、どんなに惨めな思いをする日があっても、この人生やめられないと、そう思えるのである。
この記事を通して、別にわたしの旅がすごいだろう?とか、みんなも弾丸旅行しよう!などという気はまったくない。ただ、わたし的には久しぶりに思い切った行動をしたもんだと思ったので、一連の流れを記録してみた次第である。
わたしのnoteは、家族・親戚にも知られているので、今回の記事はそんなよく知った顔の呆れた表情も容易に想像できる内容だと思うが…25歳の1年間はちょっとばかり好き勝手に生きてみようと思っていたので、その想いからすれば可愛いものであろう。
とにもかくにも、総じて楽しい24時間であった。
香港は、またたぶん近いうちに訪れることと思うが、そのときも今回くらい充実した旅になることを願う。
ではまた、いつかのアホな旅行記で。
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