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日本全都道府県に行ってきた(岩手乗り鉄)

これまでの流れはこのマガジンからどうぞ。

さて、この日は「乗り鉄」だ!

岩手県には長距離のローカル線があるのだが、そのいくつかを使って、岩手県東部をぐるっと回ってやろうというわけだ。これぞ乗り鉄の醍醐味!

本日のルートはこんな感じで、盛岡から山田線で宮古まで行き、そこから三陸鉄道に乗り換えて釜石、そして釜石線、東北本線をたどってまた盛岡まで戻るというもの。

ところが、だ。この山田線というのが曲者で、全線を走る列車は、一日4本!

のちの行程を考えると、6時32分発の普通列車に乗らないといけない。ホテルが駅のすぐそばで助かった…。


お、2両「も」あるじゃん!

小ぢんまりとしたディーゼルカーで盛岡を出る。しばらくすると東北本線を離れて、山に分け入ってくる。

いやマジで、山また山。日本は狭いって言ってるの誰だ!と突っ込みたくなるような。

山の合間を鉄道はうねうねと縫うようにして走り、所々にある平地に出ると小さな集落、そして駅。その繰り返し。

こういうところで耕作したり生活したりするのって大変だろうけど、人間ってこうやって生きながらえてきたんだなあ…なんてことを考える。

でもあれですね、こういうローカル線って、だいたい川沿いに線路が敷かれている。なのできれいな川を何度も鉄橋で渡り、そのたびに視界がひらけてホッとする。

そんな日本の原点みたいな景色を見ていると、だんだん平野が広がってきて、列車は終点の宮古駅に。なんと2時間半の旅だった。

ここで三陸鉄道に乗り換える。この鉄道は色々なメディアに取り上げられていることもあり、観光客もそれなりに多い。

列車の中も、クロスシートにテーブルがあったりと、観光客を意識したつくりになっている。

この辺りは、もちろん震災、津波の被害を被ったところなので、建物が新しい。それがかえって痛々しく感じるし、土地のある場所からまた古い建物があるのを見ると、このあたりまで津波が来たんだろうなあ…と思い、改めて被害の甚大さを感じることができた。

「本州最東端の駅」があるとは知らなかったが、結果的にこの手の駅を追い求める旅になっているなあ…。

時折車内から見える三陸の海は、やはり静かで美しい。

この路線に乗るにあたって楽しみにしていた行き先が、釜石である。

僕はラグビーを見るのが好きなのだが、昔はこの地に「新日鉄釜石」という、それはそれは強いラグビーチームがあった。

今はそのチームはなくなり、というか社会人チームからクラブチームに組織が変わり、トップリーグからも降格してしまっていて寂しいが、釜石という町は、日本のラグビーにとってはある意味「聖地」でもある。

その関わりもあり、2019年に開催されたラグビーワールドカップでは、開催できるスタジアムの規模以下だけど、特別に試合が開催された。たぶん震災復興のメッセージ的な意味もあったのだろう。

スタジアムは釜石の町から離れているので、実際に行く時間はなかったが、列車から特徴のあるスタジアムが見えたのでそれで良しとしよう。

そして列車はカーブをして釜石に到着。駅にはラグビーボールなどのオブジェがあり、ラグビー感をもり立てている。あのW杯からもう既に3年経っているが、それだけこの町にとっては大きなイベントだったということが伺える。

駅前には大きな製鉄所があり、やはりここは鉄の街なんだなあ、と思った。

…が、駅の周りはあまり商業施設などもなく、はてどうすべか。

少し歩くけど、漁港に行くと食べるものがありそうなのでそちらに向かう。
やはり新しい建物、造成地が多くて少し気が重くなってしまう。

なんか、とてもおいしい昼定食を食べてしまった…。

さて、あまりぼやぼやしてると帰りの列車を乗り過ごしてしまう。帰りは、釜石線に乗って花巻を経由して盛岡まで。

快速「はまゆり」という列車があり、これに乗ると若干早く旅をすることができる。

この路線も、山あいの結構すごいところを走るのだが、遠野といったわりあい大きな町も通る。こういうところにふらりと降りてみたら面白いのだろうけど…。

田んぼと山、というこれまた純日本的な景色を楽しみ、すこしうつらうつらしていると、列車は花巻へ。

花巻からは東北本線に入るので、いままでの借りを返すかのように、2両編成の列車はディーゼルエンジンの爆音を上げ、おおむね真っ直ぐな線路を走る。

盛岡に近づくと学生もたくさん乗ってきて、いままでの閑散とした車内とうって変わってきた。

そして4時半頃に列車は盛岡駅に。8時間にわたって乗り鉄をしていたのか…。

新しくできたというクラフトビールバーで今日の旅に乾杯をした。


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