コロナ(オミクロン)をナメたらいかんぜよ
先月のクリスマス前にコロナに感染したんだけど、その続報を書いてみます。日本も感染増えているようなので、参考になるかなあ。
自分のこと
まず、自分の体調だが、ご安心ください、ちゃんと生きてます。
そもそもかなり軽症の部類だったので、7日間の自宅隔離期間が終わったら即仕事にも復帰したし(まあ、人手不足だったのでやや見切り発車だったけど)、ランニングもできている。飲み食いも全然問題なし。
ただ、後遺症はある。
鼻が詰まったり、喉が痛かったりという症状は、微小ながらまだ続いているし、胸のあたりも時どきピリッと来る。そのせいか、肩や肩甲骨のあたりがとても凝って、ひどい肩こりに悩まされているような感じ。これは、不安を抱えて生活しているので身体が固まってしまっている面もあるかもしれないが、もっと根深いところから身体の重さが来ているような感触がある。
すぐ疲れる、という後遺症も多いようだが、僕の場合目に見えるようなことはない。
ただ、すご~く長い時間寝てしまう日が増えた。もともとわりあいガッツリと睡眠を取るタイプで、8時間睡眠は普通なのだけど、最近は下手をすると10時間ほど眠ってしまう日もある。そんなに仕事や運動で身体を酷使しているわけでもないのに…。
味覚、嗅覚障害がないのは本当に不幸中の幸いだし、咳き込んで眠れない、ということもない。
なので、普通に生活するぶんには全くと言っていいほど問題なし、なんだけど…。
「コロナはただの風邪」「オミクロン株は軽症」と言っている人がたくさんいるけど、ただの風邪は、こんな3週間も症状が続かないよ。
いくら軽症だからといって、これでは心の平安はやってはこない。
知り合いの状況
そうこうしているうちに、職場の同僚、僕の知り合いもどんどんコロナに罹った。
もうウチの職場なんて、罹っていない人のほうが少ないかも…それくらい感染しやすい状態になっている。
で、その症状だけど本当に様々で、味覚、嗅覚障害が出た人、ひどい頭痛に悩まされた人、高熱が続いた人、咳がひどくて寝られなかった人…などなどで、罹ってみないとどうなるか分からない。
そして、問題なのは後遺症だ。
普通「後遺症」というと私達は車椅子に乗ったまま、まともに歩けない…なんてのをイメージしがちだけど、僕が知っている限りではそんな人はいない。
でも、僕の知っている罹った人のほとんどが、軽いながらも何かの症状を2,3週間後も抱えている。そして、これがどれだけ続くか、何かの拍子にもっと悪くなるのかが今の時点ではハッキリしていないのが怖いところだ。
政府の対応など
シドニーでこれだけ感染が爆発的に増えてしまったのは、仕方ないかなあ、と思う。
ちょうど国境、州境を開けたタイミングとオミクロン株の侵入が被ってしまったし、クリスマスホリデーという、国民が大移動をする時期だった。
かといって、もうこれ以上のロックダウンや規制をするというオプションは取れなかったと思う。
家族やパートナーに何年も会えない人も大勢いたし、反対デモも増えていたし、もう心理的に追い詰められた人も多かったと思う。
永久にロックダウンをするのも、給与保障をずっと続けることも物理的に不可能。
それは、わかる。
ただ、規制を緩める際の政府のメッセージが今考えると楽観的すぎた。
「みんな、バーっと飲んで騒いで楽しもう!」
って感じのトーンだったからなあ…それに乗ってしまった我々も馬鹿だったんだけど。
でも、政府の人たちは我々よりももっとたくさんのデータを持っているし、専門家の意見も聞けるのだから、規制を止めるにしてももっとシリアスな、
「もうこれ以上ロックダウンや規制を続けるのは非人道的なので止めるけど、その代わり感染者数は増えます。国民の皆さんもそのつもりで覚悟してね」
みたいなメッセージを送るべきだったのでは。
そして、今シドニー(オーストラリア)では、検査体制がパンクしている。
この国の検査は今までPCR検査一本槍でそれはよいのだが、ここまで感染者、その疑いがある人が増えてしまっては、もう検査が追いつかない。
なので今はその前段階として抗原検査を取り入れているのだが、もうこれが品不足で、どこの薬局でも売り切れのサイン。
こんなのも、政府機関なら予測できただろうから、政府で買い置きをするなり、自分で購入できる人はするように、などのメッセージをもっと前から送るべきだったと思う。
全世界を見ても、今回のオミクロン株を主とした感染では、きちんと対応できている国は殆どないようなので、オーストラリアが全然だめだとは思わないが、楽観的すぎたなあ、と思う。
たぶん、パニックバイのように、抗原検査キットも、しばらくしたらお店に出回るようになるとは思うが、もうダメージは残されてしまった。これをモップアップするのはかなり時間がかかると思う。
そして、Long Covid、後遺症を抱えた人が世の中に本当にたくさん出てしまった。こういう人たちのケアをどうするか、というのも政府の課題となるだろう。
さて、どうする?
個人的には、この「ちょっと調子が悪くて…」という状態が、少しずつ解消されていくことを願うのみ。無理せず、普段どおりの生活を目指す。
そして、政府や行政に対しては、この失敗を教訓として、どうせまた変異種が出てくるんだろうから(残念ながら)、ちゃんとシミュレーションをして、安易な政策を取らないようにしてほしい。
それから、幸いほぼ無傷でコロナ禍という戦場から除隊できたので(ひとまずは)、これから運悪く罹ってしまった人へのケア、理解といったものを個人的にはやっていきたいと思う。
こんな世の中でクソみたいな人もいっぱいいるけど、まだまだ世の中捨てたもんじゃない、ということを実感できたので、僕も少しでも「いいもん」の味方になれたら、と思う。