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Running across the National Park

最近走ってばかりいる私の生活、一体どうなってしまったのだろう。何が私をそうさせるのか…ま、暇なだけなんだけれども。


先週の木曜日に26キロと、私としては結構長い距離を走ったにもかかわらず、その3日後の日曜日にも、「国立公園に行ってトレイルランをするよ!」と誘われた。その距離およそ30キロ。

30キロ。しかも一緒に走る二人はかなりのツワモノである。彼らがどれだけスゴいかというと、フルマラソンを3時間で走るスピードを持ち(いや、3時間切ったことがあるのかな?)、走行距離も毎週100キロ以上だ。ひとことで言えばランニングオタクです。

かたや私は週50キロ走れば、「お、けっこう走ったな~」と喜ぶ程度のランナーだし、フルマラソンも3時間30分を切ったことは1回しかない(これでもけっこう速いほうなんですよ…ぶつぶつ)。

これは間違いなくミスマッチで、幕下力士と横綱が取り組みをするようなものだ。これは絶対に途中で脱落するだろうなあ…とちょっと気が重かったのだが、相手も私の力量を知った上で誘ってくれたわけだしまあいいか、とオーケーした。

だって、このコースは6月にも走ったけれども絶景続きなのだ。私の場合、走る目的はフィットネスのためというより、景色のいいところを走って心をリフレッシュするという、いわば観光ラン的な側面もあるので、このような場所はいつだって走りたい(いや、いつでもは大げさか。月イチぐらい?)。

さて、今回のランで一番苦労したのは路面状況である。先週はけっこう雨が降ったので足元は悪いだろうと覚悟はしていたが、予想以上の悪路だった。スタートしてしばらく行くと水溜りが多くなり、さらには路面が川のようになってしまっていた。滑りやすくなっているし、しっかり路面を見きわめて少しでもマシな箇所をたどって行かねばならないので、なかなかチャレンジングだ。
そうやって注意深く歩いても(こんな状態では走れないっす)、どうしても泥水に靴を浸さないと進めない場所に出くわし、靴がずぶずぶとぬかるみに浸り、茶色に染まっていってしまった…あーあ。

泥濘だけではなく、風で折れた木や葉っぱも路面に落ちていて、とにかく走りづらかった。まあこれもトレイルランの醍醐味、といえばそうなのだが。

ツワモノコンビは、こういった泥濘、不規則な石段、木の根があちこち出ている路面…といった障害物満載のコースでも、ひょいひょいとそれらを避けてささっと走っていく。こちらはそんな経験値もあまりないので、そろそろと足元を確かめつつ走る(というか歩いている)。

この時点ではまだ体力に余裕があったので、少しでも走りやすい場所に出たらペースを上げて、前方の二人に追いすがる。

そもそも運動神経(バランス感覚)が悪い私にとって、路面がフラットではないトレイルランというやつはちと難易度が高い(けつまずく確率高し)。もう一つ言い訳をさせてもらえば、私は目が悪く、しかも乱視持ちだ。なので路面の微妙なデコボコをきちんと確認できないので走りにくい。これも回数をこなせば改善できるのかなあ。

今回は以前より遅めのスタートだったので、日がすでに昇ってきていてランナーとしては暑いなあ、と感じた。途中に給水できるような場所が殆どないので、手持ちの水が無くなりそうになりちょっと焦った。

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途中のビーチでは、日曜日ということもあり家族連れがかなり多く来ていて、日光浴をしたり釣りをしたりしていたが、こちらはストイックにその横をエッホエッホと走り抜ける。砂浜を走ると足が一歩ごとに埋まるので、とにかくハカがいかない。砂とトレイルシューズの底がこすれて鳴き砂のような音が出る。

ビーチが尽きると、丘を越えなければならない。高さは100メートルもないのだが、急な角度に切り立っているので階段が延々と続く。階段が折り返しになるたびに、「これで終わりか?」と期待をするが何回も裏切られ、また段々が続く。うえ~。


そういえば、「ロード・オブ・ザ・リング」で、モルドールの岩山をフロド・バギンズがえっちらおっちらと登っていくシーンがあったなあ、などと思い出す。こっちは太陽が素晴らしく照っているし、生死にかかわるミッションに携わっているわけでもないから百万倍もマシなのだが、しんどいことには変わりない。

そんな丘越えが何箇所かあり、この辺りからタフマン二人組に遅れをとり始める。一本道だから道に迷うこともないので、余り焦らずにマイペースでフォローした。彼らも要所々々で待っていてはくれるのだが、やっと追いつくとすぐに「よし、じゃあ行きますか!」とランを再開するので、こちらとしてはほんの少しの息を整える時間しかない。ああしんど。

8月に入ると、シドニーでは春がやってくる。まだまだ朝晩は寒いが、そんな中でも花が少しづつ咲き始める。

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昨年のブッシュファイアで焼けてしまった木々の下から草木が生え始め、鮮やかな花も開き始めていた。

オーストラリアのワイルドフラワーはたいがいとても小さな花弁で、とても慎ましく咲いているのだが、土とくすんだ緑が多いオーストラリアの大地とのコントラストが鮮やかだ。

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最後の3キロほどは、またしても砂地を走るようになっていて、もうこりゃあやってらんねーよ、とふてくされそうになるが、誰も助けちゃくれないのでとにかく足を前に運ぶ。

ゴールしたあとはもちろんビールを飲んだが、あまりにも疲れていると味もよく分からないものだということが分かった。いや、もちろん美味でしたよ。

というわけで、今回はかなり「こってりとシゴカれた」というランだったが、それでも翌日は以前ならば絶対になっていた、足が攣るとか階段を上り下りするたびにうっ!となる筋肉痛とかにもならなかったので、徐々に鍛えられてはいるようだ。

何故に走るのかという回答が出るまで走り続けましょうかね…。

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