ニューカッスルでクラフトビールざんまい
先週、ふらりとニューカッスルに行ってきた。あ、英国にあるニューカッスルではなく、シドニーから電車で2時間半の場所にある、この州第二の都市、ニューカッスルです。ややこしいね。
たぶん、ニューカッスルに「観光」旅行に行く人はあまりいないと思う。
そもそもここは石炭、鉄鋼業が盛んなガチの産業都市なので、あまり観光名所なんてのはないし、そんな町にありがちなラフな印象があった。でも最近は開発が進み、けっこうオシャレになっているというので、どんなもんだろうと、一泊二日で旅してきた。
私の旅の目標…というと大げさだけど、必ずやりたい、というものの一つにご当地ビール(クラフトビール)を楽しむ、というのがある。ただの呑んべえなだけでもあるが。
浜の真砂のようにクラフトブリュワリーの多いオーストラリアだから、ニューカッスルにもあるだろう、いやないはずがない。ブリュワリーバーみたいに、実際にビールを作っている場所の一角で飲めたらさらによろしい。今回は急に決めた旅だったので、とりあえず美味しいビールを雰囲気のいい場所で飲めたらいいや、くらいの気持ちでシドニーから出る電車に乗った。
結果、色々な場所で美味しいビールを飲め、楽しく目標が達成できた。
Happy Wombat
旅行した日は、シドニーも含め州全体が記録的な寒さの日だった。
ニューカッスル駅から電車を降り立った瞬間、ナニコレ?というほどの冷たい風に襲われ、思わず首を縮める。あまり考えて荷造りをしていなかったのでちょっと薄着だったし。
とりあえず寒さをしのぐべく、ちょうどお昼時でもあったので、当たりをつけていたHappy Wombatというお店に入る。なんたって、名前がいいじゃないですか。ウォンバット、大好きなんで。
ここは朝から晩まで通しで営業している、カフェ・レストランで、アットホームな雰囲気。
周りはコーヒーを挟んでミーティングをしているビジネスマンや、ランチ休憩に入った会社の同僚でそこそこ混んでいる。
こんな場所でビールを飲んでもいいのか?と一瞬だけ気迷ったが、えい、こっちは休日なんだとビールとハンバーガーをオーダー。
クソ寒い日のビールはやはりダークビールだよな…ということで、一種類あったスタウトをオーダー。Reckless Brewingという、なんともな名前のブリュワリー。
スタウト特有のちょっと焦げた感じの味わいが、やはり冬のビールだなあ。
このコースター、かわゆすぎる…。
ビールとバーガーで寒さ対策を完了し、Haapy Wombatな気分になったので、一度ホテルに向かい、荷物をおろしてしばらく休んでから街散策に出かける。
…が、寒い!ニューカッスルは港町なので、ウォーターフロントを散策…と思ったが、海から寒風がびゅうびゅうと吹き付けてくる。こりゃたまらん。
空は青くて気持ちよさそうだけど、ヤシの木の葉が激しくなぶられているの、分かります?
仕方なく?翌日行くつもりだったブリュワリーバーを見つけて入る(いい言い訳だ)。
Foghorn Brewery
ここはニューカッスルの街なかにあるクラフトブリュワリーで、バーも併設しているらしい。
昔はなにかの倉庫だったような建物のドアをくぐると、建物の片側にはビールをつくるステンレスのタンクがいくつも並び、反対側はバースペースになっていてテーブルが並んでいる。お昼を過ぎた中途半端な時間だったので、バーはガランとしていたが、ブリュワリーの方ではスタッフがビールの仕込みにはげんでいた。
もうお昼は食べたので軽く一杯だけ飲もうと、バースタッフに、どのビールが美味しい?と聞き、いくつかテイスティングをさせてもらったが、結局ご当地の名前を冠したNewy Pale Aleをオーダー。そう、オージーはとにかく言葉を縮めるクセがあるので、ニューカッスルもNewyとなるんだよね。
これは典型的なペールエールで、フルーティーな味とホップの苦さのバランスが良かった。あまり外にも出たくないので、このビールをちびちびと飲みながら時間をつぶす。
他にも10種類以上のビールがあるようなので、これは明日また来なくては…と思いバーを後にした。
さて、大したアクティビティもしていないが、晩ごはん。ホテルから15分ほど歩くとビーチがあり、そこの近くにあるGrain Store というパブに入る。
ニューカッスル・ビーチ。こんな寒さでも、サーフィンしてる人が…(画面右端)
Grain Store
ここももとは穀物(Grain)倉庫だった建物を改装したパブのようで、外観は重厚な作りだが、中は典型的な地元のパブといった雰囲気で、大学生らしいグループや家族連れで賑わっている。
ここでもバースタッフに、なにか変わったビールを!と聞いて、勧められたのがこれ。
あまりビールらしくない色だが、それもそのとおりで、Hope Brewhouse というブリュワリーの、Lemon & Lime という名前のビール(Sourというカテゴリーらしい)。
もちろんレモン系の酸っぱいビールなのだが、歩き疲れていたので酸味が身体にしみる感じで、いや、予想以上に美味しかった。ビールをずっと飲んでいると口に苦味が充満してしまうことがあるが、これはちょっとゲームチェンジャーな感じで良かった。夏の暑い日に飲むのも良さそうだ。
このパブのいいところは、今日のビールリスト!というのが紙に印刷されていて、バースタッフが渡してくれた。
リストは21まであって、これ、すべてタップで注がれるドラフトビール。いやあ気合入ってます!
お昼にハンバーガーを食べたにも関わらずステーキを食べ(寒いとこういった食べ物を欲しますね)、じゃあ食後のビール…ということで、先程試飲させてもらった、Coffee Cream Aleというビールをオーダー。
写真撮るのを忘れたが、これは地元のブリュワリーとコーヒーロースターのコラボレーションによるビールで、おお、確かにグラスに鼻を近づけると香ばしいコーヒーの香り。そして口に含むと柔らかだけどたしかにビールの味が。これは食後酒にぴったりでないの。
他にも色々試してみたかったのだが…いい加減飲みすぎ、食べすぎたので今晩はこの辺で引き上げ、おやすみなさい。
中休み
さて翌朝。
えっとですね、こんなふうに書いていると「こいつは飲んでばっかだな~、旅行に行ってるのに!」と思われそうですが、ちゃんと早起きしてランニングもしました。
朝日が素晴らしかった…。
ランニングの後は、たまたま見つけたこじんまりしたカフェで朝食。気のいいご夫婦がやっているカフェで、コーヒーも食べ物(アボカドトーストとポーチドエッグ)も美味しかった。
その後また街を歩いて、お昼時になったのでFoghorn Brewery に再突撃!
Foghorn Brewery (2回め)
外観はこんな感じで、昨日は寒くて下を見てばかりいたからか気づかなかったが、ここがビール屋さんってバレバレじゃん。
そう、このバーでは食べ物も出していて、バーガー、ピザといった典型的な「ビールにあう食べ物」のラインアップ。これも美味しかったよ。
この日も寒かったので、まずはRed Right Hand という名前の、Red IPA をオーダー。これはスタウトほど黒くなく、赤銅色といった感じの色合いだ。思ったよりフルーティーで飲みやすかった。
さて、ニューカッスルビール巡りの締めは…やはりスタウトで、とバーに向かうと、ハンドパンプのやつにする?と聞かれる。普通のサーバーと比べ、ハンドパンプで注がれるビールは、やはりデリケートな味になるそうだ。
丁寧に注がれています…
結論から言うと、やはり美味しい!泡がですね、もっときめ細かくなって、ちょっと甘く感じるんですよ。温度もそれほどキンキンに冷えてないので味が出るし。ことダークビールに限っていえば、特に寒い日などはあまり冷え冷えにしなくてもいいんじゃないかなあ。
飲んだすべてのビールが美味しかったので、テイクアウェイができる缶ビールをいくつか買い込み、シドニーへの帰途についた。
このような、あれもしてこれもして…とは真逆の、目標を絞った旅も悪くないな。今度はまた別の町へ、美味しいビールを探す旅に出ようかな?