見出し画像

生物はなぜ死ぬのか

「ゲノムの寿命」は55歳。
衝撃的。あと1年と数ヵ月しかない。日本人男性の平均寿命は80歳くらいだから、まだ25年以上もあると高をくくっていた。

ゲノムの寿命は何を意味するのか。ゲノムは設計図なので、細胞分裂を繰り返すたびに、DNAにコピーミスが起こる可能性が増える。このコピーミスが蓄積すると、がんや老化の原因となる。55歳を分岐点にガンの発生件数が跳ね上がる。

お酒、ストレス、塩、多すぎるカロリーなどで、身体にダメージを受けたら、今までのようには戻らない。つまり55歳になったら何でもほどほどにしなさいよって。

ではなぜゲノムに寿命があるのか。老化は進化の課程によって獲得されたもので、それは新しい細胞を守るためでもある。細胞ひとつとっても利己的に生まれて育ち、最後は利他的になる。自然のサイクルも鮭やハサミムシのように、次世代の犠牲となって死んでいく。人間社会はそこまで単純には言えないかもしれないが、55歳は利己から利他へのターニングポイントなのかもしれない。

おじさんに節度ある生活がなぜ必要なのか。とても納得。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?