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日常は非日常へ

1年ぶりに帰省した。
大学進学とともに上京したが、
かつて日常だった地元は非日常になった。

家族は温かく迎えてくれたが
私は家族の一員が戻ってきた感覚より
お客様として迎え入れられた感覚を感じた。

疎外感を感じたわけではない
たしかにここで生まれ、育ったことは覚えている

しかし、この地に足がついていないような感覚は何だ
私がこの地を踏んで生活している人間なのではなく
この地にとって、異質な存在として感じる感覚なのだろうか

デュラララ!!という作品では平凡な高校生(そう見える)竜ヶ峰帝人が
非日常を求め上京し、刺激的な日々を経験するが
あるとき、黒幕的存在である折原臨也に
非日常もやがては日常になってしまうと指摘されてしまう

私が高校生の時に東京の大学に進学すると決めたのは
デュラララ!!で描かれているような
非日常を体験したかったからかもしれない

しかし、高校生の頃に夢見た非日常であふれた東京は
実感のある日常でしかない東京へと変化し
今では日常であったはずの地元が非日常へと変わった

帰る場所を失ったと喪失感を感じないわけではないが
この感情は私にとっての家族の存在を明確にしたようにも思える

帰る場所は生まれ育った場所ではなく、
受け入れてくれる家族がいる場所なのだと



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