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『スマホ脳』

 2021年の上半期ベストセラーとなった

『スマホ脳』(新潮新書)


ですが,皆さんはすでにお読でしょうか。本書は,2020年の11月に出版されたものですが,私は発売後,およそ1年経ちようやく読みました。

 スマホ依存が与えるさまざまな悪影響について書かれています。アマゾンの内容紹介を引用すると,

平均で一日四時間、若者の二割は七時間も使うスマホ。だがスティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという。なぜか?睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存―最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラーがついに日本上陸。

とあります。上記の内容について,具体的な実験結果や脳の仕組み,進化論的枠組みなど,さまざまな視点から論じられています。

 また,本書の中には大学入試でも頻出トピックも多く含まれています。『スマホの及ぼす悪影響』については,さまざまな大学で出題されています。

 たとえば,2015年の名古屋大学では,「スマホが大人コミュニケーションに与える影響」について述べられた文章が出題されました。本書の中にその内容とほぼ同じ内容,実験が出てきて,まるで2015年の名古屋大学の英文の和訳を読んでいるかのように錯覚をしました。

 また,本書の第1章の「人類はスマホなしで歴史を作ってきた」と第2章の「ストレス・恐怖、うつには役目がある」の冒頭の「扁桃体ー人体の火災報知器」は,2015年の東京大学の大意要約問題と内容が被っていて,驚きました。本書を読む1週間前にその問題を授業で解説していたため,デジャブかのように感じたからです。

 今こうして書いていて気づきましたが,どちらも2015年ですね。ひとつの繋がるテーマだったんだと改めて感じました。

 入試問題と読書の世界はつながりすぎて,最近ではどちらで知ったテーマなのか分からなくなりつつあります。でもそれは,

入試問題に出題される英文は面白い


ということではないでしょうか。だって,世界で話題となっている内容が出題されるのですから。

入試のために読書をするわけではありませんが,必然的に読書が入試につながり,入試問題を読むことが世界で流行りのテーマを知ることにつながる

ように思います。問題を解くことに終始するのではなく,

楽しく入試問題を読める


という気持ちがもてるといいですね。そんな指導を心がけたいです。


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