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「書く」という行為

 David Crystalの著書,"How language works" の一節に,次のような言葉があります。

Full meaning does not always exist prior to writing; "That's not what I'm trying to say."  A typical comment is made by a famous dramatist: "I write to find out what I'm thinking about."  Such remarks emphasize the main lesson to be learned from the study of the process of writing: it is not a merely mechanical task, a simple matter of putting speech down on paper.  It is truly a creative process, an act of discovery.

「書く」という行為は「創造の過程であり,発見という行為である」と筆者は述べています。書きたい内容があるから書くわけではなく,書くという行為によって,自分が考えていることが明らかになっていくということです。

 私たちは「考えていることがあり,それを伝えたいから書く」と思いがちですが,実はその逆で「書くことによって考えていることを発見する」というのは興味深い考え方です。

 たしかに,こうして毎日noteを書いてみると,それを実感できます。頭の中で考えていたことを,いざ文字に起こしてみると自分の思考がより明確になり,「本当に伝えたかったこと」や「自分が考えていたこと」がより具体的に,鮮明に見えてくるように感じます。

 考えていることは,実際に書いてみるということが重要なのかもしれません。そうすると,悩んでいたことが実は大したことがなかったということに気づいたりするかもしれません(もちろん逆のこともあるかもしれませんが…)。「時間がなくてできない」なんてときも,自分の1日のスケジュールを書き出してみると,案外無駄な時間があることに気づいたりします。頭の中だけでなく,文字に起こすといろいろな発見があるものです。

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