大学受験の英語はどこに向かうのか
大学入学入学共通テストで,「英語民間試験の導入」は中止になりました。しかし,私大で活用する大学は増えています。以下の記事(リンクは最後に)では,
① 民間試験にチャレンジしていく姿勢が重要
② 英語の授業も大学入試も「聞く」「話す」が中心に変わっていくべき
③ 民間試験を使えば,英語の負担を軽くすることができ,他教科に時間のかけることができる
といった趣旨のことが書かれています。
1つ目ですが,英語民間試験は定期的に行われ,短期目標を設定しやすく,
モチベーション維持
がしやすいというメリットがあります。一方で,
値段が高い
というデメリットもあります。また,民間試験は,英語力そのものが向上しなくても,問題を解いた分だけ点数は上がっていきます(ある意味では,ゲームと同じです)。
検定試験という性質上,傾向を変えることはできず,必然的に似た問題を出題せざるを得ないからです。
だから,「チャレンジ姿勢が大切」というのはわかりますが,デメリットも大きいように思います。
2つ目ですが,「聞く」「話す」に重点を置くべきと述べていますが,
「聞く」「話す」vs「読む」「書く」
という対立項になっていることが気になります。4技能はバラバラに学習するのではなく,
4技能を「統合」する
ことが重要です。このように対立項的に捉えるのは非常に危険です。
3つ目は,一体どういうことなのでしょう。英語に時間を割きすぎということでしょうか。民間試験を導入しても,英語の学習時間は変わらないのではないでしょうか。むしろ,いろいろな意味で負担が増えるようにも思います。
大学入学共通テストでの「民間試験導入」と「記述式の導入」は中止されましたが,「民間試験」については,まだまだ問題が残されています。
英語学習は,個人個人の目的に応じてやっていけばいいと思います。
日常会話で使いたい
スポーツ選手として英語のインタビューに答えたい
ビジネスで使いたい
英語の論文を書いたり発表したりしたい
目的に応じて,やるべきことは変わってきます。その過程で,目的に応じた民間試験を活用するのはいいと思います。
しばしば話題となる英語教育や英語学習の問題点を取り上げる際,
英語学習の目的
を明確にせずに議論がなされているのが一番の問題だと感じます。
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