仙台育英の決勝展望について

 仙台育英が夏の甲子園で決勝進出しました。宮城県民としては嬉しいところですが、須江監督が言うようにまだ白川の関がみえる所まで来たというのは早いです。というのも、東北は決勝では負けの歴史。秋田中が1915年に決勝を戦って以来、なんと107年間で12連敗。特に2000年代になってからは、数年おきに決勝進出しており、チーム力が劣っているなかたまたま決勝に辿り着いたというわけではないのです。しかし、決勝が勝てません。決勝はいわば東北勢にとっての鬼門なのです。
 今回の仙台育英はこの決勝戦を勝つことができるのか。今回はその予想をしてみたいと思います。
 まず、チームの総合力です。スタメンの半分以上は2年生であり、かつドラフト確実のスタープレーヤーもいません。私も県大会を生で観戦しましたが、例年の仙台育英に比べて少し小粒な印象を受けました。ただし個々の力が劣っている分、チーム力で戦っている。正直なところ、ベスト8にいけたらいいなという印象を受けました。
 しかし、準決勝をTVで観てみると、前回の観戦時から印象が大きく変わりました。選手一人一人がオーラをまとっているというか、一回り大きく見えました。そして、野球の質も上がっている。おそらく今、このチームは好調なのでしょう。狙い通りか偶然か分かりませんが、チームのピークが今。そこのタイミングで甲子園の決勝を迎えられている。これはかなりチャンスです。運は仙台育英に味方している。そう思えます。
 打撃力については、今年の仙台育英は大砲はいませんが、全体的に穴が少ない打者が多い印象です。更に、軟式野球のようなバントや走塁で一つも先の塁に進めていく野球をしています。元々軟式野球は硬式よりも打てないので一発長打が出ない前提で以下に1点を取るかが重要なのです。その部分は今年の仙台育英の攻撃の特徴です。
 以上を踏まえると、超高校級投手は別にしてもある程度の投手相手ならば、完璧に抑えられることはないでしょう。相手の下関国際の投手陣も強力ですが、仙台育英なら、全く塁に出る事すらできないということはないでしょう。しかし、相手は守備が上手いです。ミスによる得点というのは期待できません。となると、不確定要素はあまりない状況になります。おそらく得点は3~5点程度と予想されます。ビックイニングはできずに1~2点を取っていく野球になるのではないでしょうか。もしビックイニングが出来たらかなり有利になります。ただし、それは相手にも言える事です。ミスをしなければ、そうそうビックイングは生まれないと思います。ミスをした方が負ける試合ともいえます。
 投手・守備力については互角だと思います。仙台育英は5枚看板で2回戦からの登場です。準決勝はエース格2人を休ませることができました。更に一番計算できる投手である高橋君もあまり投げていません。決勝まで進みながら、今だ投手陣は万全の状態と言えます。
 対する下関国際。2人の継投で勝ち上がってきました。エース古賀君の状態は把握できていませんが、仲井君は準決勝を観た感じ、まだ体力は十分。決勝でもいい球を投げてきそうです。
 となると、どちらかが一方的に打たれるという展開はあまり想像できません。守備もあまりミスは生まれないでしょう。
 以上を踏まえると、決勝の展望は以下です。
 ・3~5点勝負
 ・ビックイングを作った方が優勝
 ・ミスをした方が負ける
 おそらく、中盤まで競った展開で行って終盤に相手を振り切る。そんな、一球一球目が離せない試合になりそうです。

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