見出し画像

Vaundyとあいみょんにハマる昭和世代。

人間は、30代半ばで、新しい音楽を探さなくなるという研究結果がある。ちなみに人が新たな音楽を発見する年齢は24才がピークだと言う。少し自分に当てはまる部分がある。

10代から30代までの変遷は、長渕剛に始まり佐野元春、ブルース、ボブディラン、ビートルズ、山崎まさよし、マイルスデイビスを辿り、のめり込む音楽が変わってきた。研究結果の通り、35才前後から、新しい音楽を全く求めなくなった。その後は、過去に聴いた音楽を何度も聞き続け、ほぼ15年経過する。

音楽への傾倒で言うと、そのピークは20代中盤に行き着く。その頃は黒人ブルースにハマり、多くの音源を聞き漁った。ロバートジョンスン、ライトニンホプキンス、マディウオーターズといったブルースマンが奏でる原始的なブルースを日夜聴き続けた。なぜ、あそこまで貪欲に求めたのか不明だが、前述の研究結果とまあまあ一致する。

おそらくもう新しい音楽には興味は持たないだろうな、と思っていたが、50代になって、再び新しい音楽への興味がもたげてきた。その対象は、あいみょん、VaundyといったZ世代のミュージシャンであり、日夜聴き、彼らの才能あふれる楽曲を楽しんでいる。

あいみょんの魅力はシンプルだ。詞もメロディも色褪せない普遍性を感じる。メジャー調の曲が多いが、コードを工夫して少しだけマイナー感を入れる。結構ベタだけど、ある意味これが王道なのだ。幼い頃、浜田省吾や吉田拓郎を聴いていたというが、楽曲「さよならの今日に」の醸す哀調は、まさしくその影を踏んでいる。

そして彼女のライブはマジ凄い。スタジオ録音もいいのだけど、ストリートで鍛えた彼女の喉は、ライブでこそ輝く。唄いっぱなしの3時間、想像以上の骨太の声量に感動する。

Vaundyを知ったのは、遅まきながら昨年の紅白である。彼の唄う「怪獣の花唄」に度肝を抜かれた。言葉を失う3分間だった。唯一無二の個性。しかもまだ大学生w 以来、彼の曲を毎日聴きまくっているのだが、恐ろしいほど「外れ」がない。また、低音から高音への跳躍、独特なメロディラインを駆使するので、さぞ複雑なコード進行なのかと思いきや、意外なほどにシンプル。

一押しは「踊り子」である。何度も脳内でリフレインするメロディ。彼の曲すべて、恐ろしいほどの中毒性がある。ちなみに踊り子の使用コードはたった4つ。これをひたすら循環させるだけなのだ。まさに完全無欠の天才w

Z世代の世界観は、おぢさんの価値観では理解できない音楽だ。しかしその音楽の素晴らしさは認識できる。たくさん聴き唄ってみる。慣れない音楽に当惑するだろうが、多くの発見がある。

待て、あいみょんは昭和の香りはするだろうとの指摘はあろう。しかし、彼女の瑞々しく鋭い言葉に免疫を持っている大人はそういないだろう。「君はロックを聴かない」という唄。このタイトルをひねり出せる大人が一体何人いるのか、という話である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?