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SxSの裏側を紹介!委員会スタッフ記#33

SxS SHIBUYAの魅力を、SxSの裏側である製作委員会スタッフの視点からご紹介する「 委員会スタッフ記 」 #33 はソニーミュージックレーベルズの五十嵐さんよりお届け!

この間、ビョークというアーティストの
アルバム「Medúlla」を久しぶりに聴きました。

20年くらい前に発売されたこのアルバムを改めて聴いたきっかけは、
担当しているシンガーに「声だけで曲を作ってみたい」と
若くて無邪気なアイディアをぶつけられて思い出したのと、
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のリバイバル上映を
Bunkamura le cinemaに見に行ったことでした。

このアルバムは「人間の声が一番美しい楽器である」という仮定に
基づいて、実際に人間の肉声だけで構成されている
一枚のフルアルバムです。
そんな異様な制約のもとに成り立つ音楽に耳を傾けると、
1人の音楽家の執念に身震いします。

執念。
最近、作品は計画して作るものではなく、
衝動で作るものというある音楽プロデューサーの呟きを目にしました。
もちろん衝動で作られた芸術もとても魅力的です。
でも、執念で作られた芸術というのもこの世界には
(減りつつある気もしますが)存在します。
最近では、昨年カンヌ映画祭で日本映画史上初の脚本賞を受賞し、
いま国内外の映画祭を席巻している
濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』も執念が結実した
179分の映画芸術だったかと思います。
ある同業者が『ドライブ・マイ・カー』を「魂の仕事」と称していました。
人の心を打つアーティストのキャリアや人生は、
それ自体が礼拝堂の天井画のような作品なのかもしれません。
彼ら彼女らがつくる作品ひとつひとつは生涯かけて描く
巨大な画の一部のようです。

容易でなくても、ものづくりに関わる限りは
「魂の仕事」と呼べるものに少しでも接近してみたいものです。

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