久しぶりに出掛けてみると。


久しぶりと言っても実際は日曜日ぶりだ。

とはいっても土曜日はバイト、日曜日はワクチン1回目なので、先週金曜に彼とドライブに行ったのがまともな外出のラストかもしれない。


とはいえ ここまで久しぶりに感じたのは、コロナ禍になってからの人と会う場所として飽きるほど行った土地に、先月半頃から足を運んでいなかったからだと思う。

その土地に最近感染者数がマシになってきているということで、約1ヶ月ぶりに足を踏み入れた。


前までは「もう飽きた。」と、にしむらゆうじさんのLINEスタンプのパンダのような表情を浮かべていたのに、いざ行けなくなるとそれはそれで不満になるものらしい。
阪急は昨日事故り?、JRが遅れているというので予定の1本前の新快速に乗ろうと最寄り駅へ向かうと、もう遅れはなくなっていた。


その結果、12:00に彼と約束していたのに11:37にはもう到着していて、時間を潰さなければならなくなった。なにをして時間を潰そう、本(『これからの「正義」の話をしよう』)を読むか、本屋に行くか、それとも、カフェにでも行くか…、と悩んだけれど、とりあえずATMでお金を引き出すことにした。


その後 駅へ戻ると、改札を出てすぐある服屋さんが目に飛び込んできた。正確には、こちら向きに並んでいたカバンが目に入ったのだが、とりあえず立ち寄ることにした。


久々に服を見ていると、これまで着たことない色のジーパンが目に留まった。それを見ていると、"家にあるあの深い緑色のふわっとした袖の半袖ニットに合うだろうなぁ"と思い、欲しくなった。

そういえば、今日着る服を選ぶ時にも、"昨年 秋前に買った黒いダンボールトップスに合うスカート欲しいなぁ"と思ったりもした。



その後は、隣の化粧雑貨を見た。

CEZANNEの新作アイシャドウ2色、ずっと気になっていたのを、どっちを買うか?両方買うか?、そもそも両方買わないか?、迷って結局両方買うのをやめた。

CANMAKEの新作マットアイシャドウ3色やアイライナー(1度限定品で売り出されたけど買えずに終わったのが定番化されるやつ)も迷いたかったけれど、見当たらなかったので諦めた。


だけど 服にしろ、メイクにしろ、以前の私には考えられなかったことだ。



元々 おしゃれなんて微塵も興味がなかった。
というより、"かわいくなること"自体に抵抗があったのだと思う。


地声が高い私は、ぶりっ子だと言われたりした。
女子特有の人間関係も苦手で、男子とつるむことが多かった。

だからせめてと可愛くすることや女の子っぽい喋り方などを避けてきた。

夏はTシャツに短パンがデフォルトで、つい高3までスカートよりパンツの方が多く持っていた。(今もパンツの方が好きだが、スカートの方が多い。)服にお金を使うくらいなら他に使いたいと思っていたし、そもそも、中高は水泳以外にほとんど意識を向けていなかった。

メイクは大学に入って、私と同じくらいメイク等に興味なかった幼馴染に諭されるまで、メイクする時間が無駄だと思っていた。

それは今の彼の前に彼氏ができた時にも変わらなかった。


「もう気付いてるかもしれないけど、ドットさんのことが好きです。付き合ってほしい。」


だけど、彼のたった一言でこんなにも変わった。
それは彼だから。私も、すでに好きになっていて日々大好きが更新されていく彼だから、変わったのだ。


彼のために初デートには、一張羅の紺色のワンピースを着た。そのために人生で初めて、1400円のイヤリングを買った。

当時は髪型をただのポニーテールだけでなく、ツインにしたり、サイドにしてみたりもした。彼好みのショートにした時は、少し短すぎたみたいだけど程よい長さになると喜んでいた。


プール独特の塩素の匂いや汗の匂いを気にして、せっけんの匂いの香水をつけたこともある。私は匂い系が苦手なので、何度もテスターで確かめてから買った。


それから、人生初のリップも買った。1600円だか1800円だかするオペラのリップ。詳しい友達に色味のアドバイスをもらってピンクレッドを買った。結局、当時の愛用品は500円ほどのニベアの色付きリップへと変遷したけれど、初めてのメイク道具だった。


その後、大学に合格してからはインスタでひたすらファッションブランドやコスメのアカウントをフォローして、すり込むようにおしゃれを意識した。色んな服を着ていくと、彼は喜んでくれた。


それでもかわいくいようと、おしゃれをしようとする自分を認められずにいた。

だけど最近はもういいんじゃないかなって思う。

"かわいくいたい"、"おしゃれしたい"、"女の子として楽しんでみたい"、と服やメイクに興味を持っている、自分を認めてあげてもいいんじゃないかって。


「元から可愛いのに、可愛くいようとしてるともっと可愛くなるね」



彼がそう言ってくれるから、かわいくなりたいって思ってもいいんだって思えるようになった。



その後、ジーパンを親友に送ると親友も同じ所にいることが判明し、合流した。今から友達と遊ぶところだったそうだ。そこに彼が合流し、親友とは別れた。


すると彼が

「はい、これ。」

と紙袋を渡してきた。何かと思い覗いてみると、"BUTTER&bee"の箱。どうやらお菓子らしい。

彼のお姉ちゃんが旅行のお土産を私に持って行ってもいい、と言ってくれていたという話を聴いていたので、それかと思い尋ねるも、違うという。


「なんで?」と聴くと、
「なんかあげたい気分だったから。」と。


誕生日プレゼントの中身すら、事前に言ってくるくらいサプライズをしない彼の、突然のサプライズに驚きが隠せず、「ありがとう…?」と、はてなが隠しきれない返事になってしまった。(その後いっぱいありがとうと嬉しかったを伝えたけれど。)


その後も、どこに行くか?なにを食べるか?を調べて選択肢を提示し、方向音痴の私のために道案内をしてくれた。


今日が命日なのか?と思ったけれど、そんなことがあってたまるか!と思う。


これからもっとかわいくなって、ずっと一緒にいなきゃいけないからね。


いつも私を笑顔にする一言をありがとう。









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