木ノ戸昌幸

1977年生まれ・愛媛県出身。2006年、京都・上賀茂に福祉施設<スウィング>を設立。…

木ノ戸昌幸

1977年生まれ・愛媛県出身。2006年、京都・上賀茂に福祉施設<スウィング>を設立。既存の仕事観、芸術観を揺るがす創造的実践を通して社会をオモシロく変えてゆきたいと願ったり願わなかったり。単著に『まともがゆれる ―常識をやめる「スウィング」の実験』(2019/朝日出版社)

最近の記事

スウィングのWEBサイトをリニューアルしました!

いろいろあった。 そして新たな季節を迎えた。 この数年と現在地を最もシンプルに言い表すとしたら、こういう表現になるかと思う。 今年1月からスウィングの運営法人が<株式会社NPO>に変更となり、それから組織やシステムの再構築を図りながら、10年振りとなるWEBサイトのリニューアルを進めてきた。 振り返ってみると……ではあるけれど、前のサイトは「ポップ過ぎた」というのがひとつの反省点。 発信される情報はひとつの現実ではあるが、日常の断片に過ぎない。 僕個人の場合で言うと、

    • 犬か人間かそれが問題だ

      「nacoさんは犬ですか~??」 おいおい、突然どうした、アッキー。nacoさんのこと、犬だと思ってたの? ほんとは「nacoさんは犬派? 猫派?」、もしくは「nacoさんは犬を飼っていますか?」って聞きたかったんちゃう? 「人間です」 「人間です」か。nacoさんもなんかすごいな。 「あんたは犬か?」と聞かれて、こんなに真正面から誠実に応答する人がいるとは。 「ウソ~!! 人間~!?」 もうアッキー、すっごいビックリしてるやん。 もともとの質問が狂ってるのに

      • 人生相談:赤ちゃんの泣き声が苦手。(2回目)

        生後5ヶ月の男の子の父親です。2回目の相談になります。もともと聴覚が過敏ではあるのですが、我が子の泣き声をうるさく、疎ましく感じることに悩んでいます。自分自身に余裕があるときや短時間で泣き止むときには本当に可愛く思います。けれど基本的には大きな泣き声が苦手で、可愛いどころかすぐに耳栓やノイズキャンセリングイヤホンをつけて防御してしまいます。私は我が子に向き合えていないのでしょうか。愛情が足りない父親なのでしょうか。 またこの文章のはじめに「男の子」と性別を書いたのですが、な

        • 人生相談:赤ちゃんの泣き声が苦手。

          生後5ヶ月の男の子の父親です。もともと聴覚が過敏ではあるのですが、我が子の泣き声をうるさく、疎ましく感じることに悩んでいます。自分自身に余裕があるときや短時間で泣き止むときには本当に可愛く思います。 けれど基本的には大きな泣き声が苦手で、可愛いどころかすぐに耳栓やノイズキャンセリングイヤホンをつけて防御してしまいます。 私は我が子に向き合えていないのでしょうか。愛情が足りない父親なのでしょうか。 またこの文章のはじめに「男の子」と性別を書いたのですが、なんでもダメダメの今の

        スウィングのWEBサイトをリニューアルしました!

          【蔵書じゃないけど紹介:漫画】鉄コン筋クリート(全3巻)

          スウィングとスウィング公共図書館は別モノではなくって一緒、スウィングを図書館化(公共化)したのがスウィング公共図書館なんだっていうのがなかなか伝わらず、困ってしまったり諦めてしまうことが少なくない。 僕としては今年1月の運営法人の変更を機に、福祉施設(生活介護事業所)としての名称も「スウィング公共図書館」に変えたいという気持ちもあったのだが、内部的に反対の声もあったし、関係者や関係各所への連絡や説明の手間を考えるとそうはできなかった。 スウィングはスウィング公共図書館であ

          【蔵書じゃないけど紹介:漫画】鉄コン筋クリート(全3巻)

          眠れぬ神の遊戯

          成人の30〜40%に何らかの不眠症状があると言われる現代日本社会。 僕自身は19の頃に当時住んでいたアパートの騒音問題から不眠症デビューし、以後も眠れたり眠れなかったりを繰り返している。 これはもうオッパイを欲しがる赤ん坊リオの泣き声と、朝4時頃に帰宅する黒猫ルルの鳴き声という原因がハッキリしているが、ここ数日も眠れない夜が続いており体がキツい。 体がキツいと心もキツくなる。睡眠、ほんと大事。 こまりんも最近眠りの調子が悪いのだろう、冗談半分なのか分からないが、スウィ

          眠れぬ神の遊戯

          小さなTシャツのメロディ

          「遅くなりました」 ん? なにが?  なんのことだか分からないでいると、あやちゃんからそっと紙袋を手渡された。 わあ、もうすぐ生後5ヶ月になる息子への贈り物だって。 中に入っていたのは、こぼしまくる食べ物を受け止める赤ちゃん必須のやつ(名前がわからん)と、XLのオリジナルイラストTシャツ。 なんとなんと、あやちゃんがXLのマイベイベ描き下ろしイラストをトレースして、コツコツ一点モノのTシャツに仕上げてくれたらしい。 か、か、かわいい。。。 こんなステキなことが進

          小さなTシャツのメロディ

          「逆に」の皆さまへ

          最近、「逆に」「逆に言うと」「逆に言えば」などなど逆に言うやつを聴く機会が減ったような気がして、とても助かっています。 目をギラギラさせて前のめりに言うタイプの「逆にぃ~」はすごく嫌だったし、「これは一体なんの逆なんだろう?」と悩まされたり、「全然逆になってへんやん」と混乱することも多かったからです。 もう飽きてしまったのか、もう言い尽くして逆が出てこなくなったのか分かりませんが、僕の気のせいでないことを切に願っております。 逆に「逆に」言っていただかなくても、こちらと

          「逆に」の皆さまへ

          続・華麗なる手抜き

          スウィングの詩作の歴史は長いが、常日頃の活動にしている人は少ない。 亡くなった向井さんとかQちゃんとかnacoさんくらい。 nacoさんは元々「詩が書きたい」とスウィングに入った人だけれど、すぐに絵の方にハマってしまって、これまで詩を書くのは時々だった。それが昨年の「第28回NHKハート展」に初入選したこともあってか、最近はモーレツに書きまくっている。 しかも冗長になりがちだった言葉がどんどんシンプルになって、短い表現の中で感情を表せるようになったり、長い詩であっても推敲

          続・華麗なる手抜き

          失敗だらけの旅、ご一緒しませんか? SWING SKY CLUB 会員募集中!

          2024年1月より、<株式会社NPO>が福祉施設<スウィング>の新たな運営法人となった。これに伴い解散した以前の運営法人<NPO法人スウィング>は、大勢の賛助会員の皆様に事業活動を後押ししていただいた。長い方だと15年以上……。 本当に本当にありがとうございました。 更にありがたいことに解散後も途切れず入会お申し込みをいただいていたのだが、フリーペーパー『Swinging』最新号の発行に合わせて、ようやく新たな会員制度<SWING SKY CLUB>を創設することができた

          失敗だらけの旅、ご一緒しませんか? SWING SKY CLUB 会員募集中!

          華麗なる手抜き

          nacoさんこと宮川尚子さんが入選した「第28回NHKハート展」。 東京展(既に会期終了)を皮切りに現在、全国を巡回中だ。 ★<第28回NHKハート展 巡回展>についてはコチラ!  ★nacoさんの入選作品「朝ごはん」はコチラ!  既に第29回の詩の募集もはじまっており、nacoさんやQちゃんらが張り切って詩作に励んでいる。これまでに3度入選という華麗なる実績を持つ西谷君はどうだろうか?  持病の悪化をはじめ、様々な不調に見舞われ続けた苦しい近年だったけど、最近は状況

          華麗なる手抜き

          オモロイ虐待防止委員会

          少し前の話になるが先日、スウィング初の「虐待防止委員会」(正式には「虐待防止・身体拘束等適正化検討委員会」)を開催した。 なかなか、相当に仰々しい名前の委員会である。 これまでも最低毎年1回「虐待防止研修」は実施してきたのだが、国の要請(あるいは命令)によって、①虐待防止についての指針を定め、②虐待防止委員会を定期的に開催することが新たに義務化されたのだ。 3月下旬に取り組んだ①の指針作成は死んだ。 厚労省の示すひな形が実にお粗末で、言葉が難解というか日本語としてムチャク

          オモロイ虐待防止委員会

          探しものは何ですか? 見つけにくいものですか?

          あまり知られていないが、あちゃみちゃんはスウィング公共図書館の館長である。 その館長がメイン閲覧室である第27教室で、「え~っと、え~っと」とブツブツ言いながら書架に並べられた背表紙を次から次に眺めている。 明らかに本を探している様子だが、行ったり来たり、「え~っと、え~っと」がいい加減長いので、「何を探しているの?」と尋ねてみる。すると館長は「分からないんですよ」と困ったような表情を浮かべる。 え? 何それ? 怖い。 「何を探しているのかが分からないの?」 「そう

          探しものは何ですか? 見つけにくいものですか?

          Ackey vs. 蚊

          何やらアッキーがしきりに右手を気にしている。 あやちゃんが「どうしたんですか?」と声をかけると、たとえるならばスマートフォンか財布かをどこかに落として失くしてまったような、大袈裟につらそうな表情をアッキーが浮かべる。 「あんな~、蚊が刺さってん~」 ごめん、大袈裟ちゃうかった。 それは確かに(アッキーも蚊も両方)つらそうだ。

          フリーペーパー『Swinging vol.32:だいじょうぶになりたい』、もうすぐお届け!!

          もうすぐお届け!! もうすぐお届け!! “ギリギリアウトを狙う”スウィングのフリーペーパー最新号『Swinging vol.32:だいじょうぶになりたい』が完成した。 2022年2月末発行の前号以来、およそ2年ぶりの発行となる。 今年の2月頃だったか、Qちゃんの、本人さえ、いつ、なぜ描いたのかすら全く覚えていない、あまりにもやる気がなさすぎるイラストを見て腹から笑った。牛乳飲んでなくてマジで良かった。 西川君も同じようにゲラゲラ笑っていた。イラストを見せてくれたあやちゃ

          フリーペーパー『Swinging vol.32:だいじょうぶになりたい』、もうすぐお届け!!

          京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」@心揺れる嵐山編(第83回)

          なぜか京都市営バスの路線系統を(ほぼ)丸暗記しているQ&XLのヘンタイ記憶を駆使し、観光客やお困りの方にベストな行き方、乗り継ぎをご案内する京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」。 去る6月25日(火)、前回6月3日に続き、我々一行は嵐山へと向かった。 前回はお休みだったXLも一緒だが、代わって最近レギュラー化しつつあるMIYABIがお休み。 前回レポートは書くことができず、<Swing鼻クソRADIO>でのおしゃべりに委ねた。 ここで語っている通り、我々は全

          京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」@心揺れる嵐山編(第83回)