表舞台と裏方へのリスペクト【又吉直樹:東京百景】
僕は人前に出る表舞台の仕事か、
陰で支える裏方の仕事をしたいのか決まっていない。
ただ、表舞台では裏方への
裏方では表舞台への
リスペクトを忘れないようにしようと決めている。
”忘れない”という表現は正しくないかもしれない。
忘れてしまうのは重要だと思っていないからだ。
どの表現がぴったり当てはまるだろうか。
……”根付いている”
かな。
もっと良い表現もある気がするけど、ひとまずこれで勘弁してください。
とにかく「いつでも当たり前のように傍らにある」状態でいたい
ということ。
そう思ったきっかけは
又吉さんの著者「東京百景」の一節。
この本は、又吉さんの東京での想い出を、その折々の風景にゆだねて書いたものだ。
又吉さんが出演したライブのエンディングで座席番号が記されたチケットの半券を引き、当選したお客さんにライブのチケットをプレゼントするコーナーがあった。
出演者のなかで一番最後に引いた又吉さん。
なにを言おうかなとぼんやり考えながら、半券の番号をまじまじと見つめ読み上げる雰囲気で、「え~と、当選者はいつも僕たちのライブを支えてくれる音響さんです」と言った。
ぼんやりと考えてこの一言が出るのは普段から感謝の気持ちが根付いているからに違いない。この一言をライブの1コーナーでさらっと言えるの憧れる。裏方さんへのリスペクトが伝わる粋な計らいだと思った。
そして、それに応えた音響さんもニクい。
すると、それまで会話の邪魔にならない程度で静かに流れていたBGMの音量があきらかに激しく増した。音響さんが、アドリブで音響さんならではの演出で喜びを表現してくれた。お客さんは、音響さんの反応の速さとサービス精神に大いに沸いた。
予想できないことが起こるライブに携わる裏方さんならではの対応力。
表と裏の信頼関係があってこそ成り立つ、これまた粋な計らい。
表と裏が協力し合って最高のライブが生まれる。
活躍する場が表であっても裏であっても
お互いをリスペクトできるような人間でありたい。
ああなりたい、こうなりたい。という思いばかりが募っていく。
行動に移さなきゃなあ。
手始めに目の前にある、noteを書き終えたばかりのパソコンに感謝した。
■又吉さんの著書も含めた芸人のエッセイを紹介しているのでこちらのnoteも是非!
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