「シュパット」のようなヒット商品を生み出すためにやるべき3つのこと
皆さんこんばんは。小さな会社のビジネスプロデューサー・弁理士のヤマダ(@sweetsbenrishi)です。ヤマダPと呼んでください(笑)
日経トレンディが発表した「2020年ヒット商品ベスト30」。
その8位に選ばれたのが、エコバッグの「Shupatto(シュパット)」です。
この動画にあるように、両端を持ってピッと引っ張るだけで簡単に折り畳める事がウケて、累計700万個を売り上げる大ヒット商品となりました。
レジ袋の無料配布が廃止されたことも追い風になりましたね。
700万個売れた「シュパット」 開発者が着想を得た意外なモノ
今日は、上記記事に掲載された、「シュパット」の開発者・菊田さんのインタビューを参考に、どうすれば「シュパット」のようなヒット商品を生み出すことができるのかを探っていきましょう。
▶「シュパット」のようなヒット商品を生み出すためにやるべき3つのこと①|シンプルで斬新な商品コンセプトを作る
やるべきことの1つ目は「シンプルで斬新な商品コンセプトを作る」こと。
シュパットの商品コンセプトは、「簡単に畳めるエコバッグ」です。
それまでのエコバッグは「畳むのが面倒」で、「袋に入れづらい」のが当たり前。ユーザーは「面倒臭いな」と思いつつも、「エコバッグはそういうもの」と半ば諦めていたわけです。
このユーザーの潜在的な不満を解消することができるのが「簡単に畳める」といコンセプトです。
この「簡単に畳める」というコンセプトはシンプルですよね。あまり複雑な条件を付けてしまうと発想が限定的になってしまうのでシンプルな方がいいのです。
「シンプルで斬新な商品コンセプトを作る」こと。これがヒット商品を生み出すための第一歩となります。
他のヒット商品の例を挙げると、例えば、カシオの「G-SHOCK」。
商品コンセプトは、「落としても壊れない丈夫な時計」でした。
シンプルですよね。時計は精密機械で壊れるのが当たり前。それが壊れなくなれば、画期的な商品となり、ヒットが見込めるわけです。
▶「シュパット」のようなヒット商品を生み出すためにやるべき3つのこと②|技術分野を超えてリサーチする
やるべきことの2つ目は「技術分野を超えてリサーチする」こと。
シュパットの場合は、エコバッグとは技術分野が異なる、折り畳み式の「紙帽子」が開発のヒントになりました。
新しい商品と言っても、その全てが新しいわけではありません。
商品を形作っている要素は既存のものでも、要素同士の組み合わせが今までにないものであれば商品全体としては斬新なものとなるわけです。「既知の要素同士の未知の組み合わせ」です。
技術分野が同じ要素同士を組み合わせてもありきたりの組み合わせになりやすい。だから、技術分野の異なる要素同士を組み合わせた方が斬新なアイデア、意外性のあるアイデアが生まれやすいんですよね。
シュパットの場合であれば、エコバッグの周りの技術ばかりをリサーチしても斬新なアイデアは浮かびにくい。だから、開発者の菊田さんは
「ティッシュペーパーや洗濯物など、身の回りにある“畳まれているもの”をとことん観察した」
と言っています。
技術分野を超えて、「折り畳む」という行為を極限まで突き詰める、リサーチする。こうすることによって、新しいコンセプトの商品が形になるわけです。
▶「シュパット」のようなヒット商品を生み出すためにやるべき3つのこと③|感覚的に使えるように工夫をする
やるべきことの3つ目は「感覚的に使えるように工夫をする」こと。
シュパットの場合は、袋の両端の生地の色を変えて、そこを引っ張ればよいことをユーザーに示唆するという工夫をしています。
これについて、開発者の菊田さんは、
「これまでにない新しい構造の商品だからこそ、手に取った時の分かりやすさが重要だと考えた」
と言っています。
いくら良い商品でも、パッと見て使い方がわからないと手に取ってもらえません。見ただけで何となく使い方がわかるように工夫されていることがヒットに繋がるのです。
これと同じような話を、任天堂で「Wii」の企画開発に携わっていた玉樹さんから聞いたことがあります。
玉樹さんは、スーパーマリオについて、「マリオが右を向いていて、しかも右側のスペースを空けてあるのは、マリオを右に進めれば良いことをひと目でわかってもらうためだ」と言っていました。
新しいゲームは誰も遊び方を知りません。でも、マリオを右に進めればゲームが始まる。敵が出てきたら避けるなり倒すなりすればいい。触っているうちにだんだんわかってくる。わかってくれば楽しくなってくるという仕掛けです。
「シュパット」も「スーパーマリオ」も同じような工夫がされているわけです。
▶まとめ
今日のまとめです。
「シュパット」のようなヒット商品を生み出すためにやるべき3つのことは、
● シンプルで斬新な商品コンセプトを作ること(発想を限定的にしないため)
● 技術分野を超えてリサーチすること(「既知の要素同士の未知の組み合わせ」を見つけるため)
● 感覚的に使えるように工夫をすること(新しい商品をスムーズに使ってもらうため)
でした。
新しい商品を作ろうとすると、どうしても一から全部作らないといけないように感じてしまいます。
でも、ヒントは他の技術分野にゴロゴロ転がっている。それを使わない手はないわけです。
そのためには、専門分野に限られない広い知識、それらを従来の常識にとらわれず大胆に組み合わせることができる発想力が必要ということですね。
今日はこの辺で。
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