見出し画像

私たちは何者ですか?同じ人間だよね?

社会的養護下にいる今、伝えたいこと

「大学に在学しながら生活保護は…難しいかな…国がね…許してないんだよ…」

そうおっしゃった市の職員さんに非はありません。

この言葉、社会が、社会的養護下の若者に対して、学びたい、という権利を他の若者と同じようには、「与えない」「自分で頑張れ、社会とはそういうもんだ」って言ってるんですよ。

何かがおかしい。

恵まれた家庭の子はいいな、とかいう問題じゃない。

私たちは同じ人間として生まれてきたのに「学びたい」「なりたい職業に就くために勉強したい」、その気持ちをかなり高い条件付きでしか肯定されない。

もちろん、社会的養護下でなくとも、学びたいのに学べない方もいる。それも含めて大問題(後で書きます)。

大人たちは言う。
「生活費を稼ぎながら大学に行ってる人もいる」

この思いを経験しないとわからないのは理解できます。
でも分かろうとしてほしい。

私たちは大きな傷を負って大きくなりました。

私は血の繋がった元両親を気持ちの意味で家族と見なしていませんし、お金の援助を受ける気はありません。「受ければいいじゃん、せっかくだから」って思いますよね?

お金を受け取る限り私は両親のおもちゃです。
望みのとおりに生きることを強いられるし、彼らの望みに反すると暴言を吐かれます。彼らの言いなりになるしかありません。
中学1年生まで暴力を振るわれたこと、家を出るまで続いた心理的虐待は大きな心の傷痕です。
面前DVの音声が今もフラッシュバックします。

「お父さんが頑張って働いてるから生活できるんだぞ」

親が子どもを産むのは簡単に言えば親の希望からです。
あなたたち、子どもが産まれたらお金かかることくらいわかんなかったの?自慢するために産んだの?

私は親の希望から産まれてきたのに「おかげ」とか言われたくない。あんたらの「エゴ」なんだよ。
私は望まれて産まれてきました。「両親の思い通りに育つ子」として望まれて産まれてきました。

ちょっと話逸れたね。
要するに、もっかい虐待されるならお金なんていらない。そういう子たちもいると思います。

このくらい、悩んできました。傷ついてきました。この傷を回復するには沢山の時間と愛情、自己実現、書ききれないほど必要なものがあります。

私たちの中で働いたり、働きながら勉学を続ける心の余裕がある子は少ないと思います。

それなのに、いきなり社会に放り出され、途方にくれる子が、学びたい気持ちを踏みにじられる子が沢山います。
どちらが辛いなんて言えないと思います。
世の中天秤にかけてもわからないものなんて山程ある。それにこのことは、天秤にかけても誰も救えない、幸せになれない。

社会的養護下では、私は恵まれています。
居場所があって、愛情も沢山受けられています。
でも、居場所があって愛情も受けてるなら自己実現くらい我慢しろ、これはおかしいよね?

「必死に生きてきた、これからも頑張りたい。」

この気持ちを踏みにじられる、「あなたは条件付きで頑張りたい気持ちを肯定される」
文字でしか知り合えない、あなたはこんな現実を突きつけられたらどう感じますか?

“じぶん”ごととして考えてください。

社会的養護を含め学びたいのにそれを否定されている方たちの想いをしってほしい。

私たちは同じ人間です。
それなのに、あるはずの権利を踏みにじられるんです。

社会的養護下の私たちは「大学にいって学びたい」、「同年代の友達と馬鹿笑いしたい」、「お金の許す範囲でやりたいことにチャレンジしたい」、こう思う権利はないの?

さっき書いたようにこれは社会的養護に限りません。

家庭やその方の経済状況で「学びたい」気持ちを断念することが起きる社会はおかしいんです。

諸外国の話をしても仕方ないけど、教育にお金を沢山配分して、高等教育まで無償化している国もあります。

また、最後の砦の生活保護の申請についても、引っかかることが。

「両親、祖父母、兄弟に連絡は取れませんか?」
と、聞かれますよね。
聞くことは良いんです。でも取れない理由までしっかり「両親、祖父母、兄弟と連絡は取れますか、取れないのでしたらご事情を伺いますので、教えて下さい」と聞いて、相談された方に寄り添ってください。
そこで、生活保護の申請を諦める方もいます。

「両親なんてとんでもない、祖父母も頼れない…」私もです。

生きていくお金がない。「両親、祖父母、兄弟と連絡取れないの?」そこで、事情を聞いてもらえないと、死ぬほど辛いと思います。もし私がその立場だったら、社会から見放された、社会から殺された気持ちになります。

日本が増やさなければならない予算は、防衛費ではありません。生きたい、夢を叶えたい。そのために「福祉、教育」にしっかり予算と想いをつぎ込んで下さい。

学びたい、その気持ちができる限り尊重される世の中になってほしい。そしてそういう世の中を創るぞ!

※追記:私は学費については奨学金で賄おうとしていて、生活費がなく生活保護を受ける決意をしました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?