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虹の橋の遊歩道

その日、ウサギとカメはお台場の海を眺めながら、冷たいアールグレイを楽しんでいた。初夏の柔らかな日差しが浜辺に降り注ぎ、人々は日光浴を満喫している。「そろそろ行きましょうか」とウサギが静かに言うと、カメは穏やかに頷き、ゆっくりと立ち上がった。

レインボーブリッジのたもとに辿り着くと、「ここがスタート地点ね!」ウサギは軽やかに振り向き、カメに微笑みかけた。

「ほ、本当に歩いて渡るの?」と、カメが声を震わせながら尋ねると、「もちろん!ノースルートから行くわよ」とウサギは元気よく一歩を踏み出した。

ノースルートからレインボーブリッジへ

歩き始めたウサギが指をさした。「あれが晴海埠頭ね。ビルの間にスカイツリーも見えるわ。海側から眺める景色は新鮮ね」

晴海埠頭のあたり

「な、なんか揺れていない?」とカメが不安そうに声を上げた。手すりにしがみつく彼を見ると、「ここは風も強いし、車やゆりかもめも走っているからね。でも、がらがらどんの橋ほど揺れてないわよ」と、ウサギは言い、そっとカメの手を引いた。

歩道の横には車と「ゆりかもめ」が走る

二人は798メートルある橋を渡り切り、芝浦に辿り着いた。エレベーターで地上に降りると、歩いてきた橋を見上げた。

真下から見たレインボーブリッジ

「帰りはサウスルートで行くわよ」ウサギはしっかりとカメの手を取った。海側の景色を見ながら歩き始めると、水上バスが優雅に通り過ぎていくのが見えた。

優雅に海に浮かぶ水上バス
お台場のビーチまであと少し

「お台場のビーチはもうすぐよ」とウサギがカメを励ますと、ひとりのランナーが二人を颯爽と追い越していった。その速さに、二人は思わず顔を見合わせた。

ゴールは近い?

ニヤリと笑ったウサギの顔に、カメは嫌な予感を覚えた。「まさか、次はここを走ろうなんて言わないよね?」ウサギは何も答えなかったが、遠ざかるランナーを見送るその熱い眼差しが、全てを物語っていた。

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