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星と桜とブレンドティー

その日、ウサギとカメはまるで宙に浮いているかのような「雲シート」の上に静かに身を委ねていた。頭上のスクリーンでは、物語の主人公たちの秘めた想いが星空を駆け抜け、星にまつわる楽曲がそこに柔らかな彩りを添えていた。

コニカミノルタプラネタリウム「満天」の門をくぐると、二人の頭上のスクリーンから桜の花びらがひらひらと舞い降りてきた。靴を脱いで「雲シート」に乗った二人は、街の喧騒を離れた空間で、特別な時間に包まれるかのように、ふんわりと柔らかなクッションに身をしずめた。

マシュマロクッションの雲シート

やがて始まったプラネタリウムの本編「Songs for the Planetarium 星空と巡るプレイリスト」は、二人を物語の世界へと誘った。少年たちは緑の星を求めて旅をする。星が温度によって色を変えること、北極星が時代と共に変わること。それらは遥か遠い宇宙の話なのに、なぜか二人の心に響いた。

ウサギとカメは、その魔法がまだ完全には覚めていないうちに、プラネタリウムを後にした。出口のショップで並んでいる、ラズベリーとスパークリングワインの香りが混ざった紅茶の前で、ウサギが足を止めた。「これ!宇宙でここだけのブレンドティーだって」

「それなら、楽しまないわけにはいかないね」彼女の言葉に、カメは静かに笑みを返した。それはただの紅茶ではなかった。二人の間に流れる無言の約束のようなものだった。その香りは、星を眺める時をともにした二人の特別な一日を、いつまでも温かな記憶として心の中に留めておく魔法だった。

宇宙でここだけのブレンドティー

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