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レースのお部屋

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#ハーフマラソン

風も花も私の味方

風も花も私の味方

春の息吹が河川敷を強く駆け抜けた。四季の中で一日の気温差が最も大きいのは、春だという。それでなくとも、北の冷たい空気と南の暖かい空気が出合う春は風が強い。土手に座って風に吹かれているカメの目の前を、先頭集団のウサギが走り抜けていった。

多摩川を走るレースは普段着のように親しみやすい。交通規制のない未舗装のコースを、犬の散歩をしている人や、野球のボールを追う少年を横目に見ながら走る。そんなコースの

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レガシーハーフマラソン

レガシーハーフマラソン

雨の音が耳を打つ。カメはその中を疲れた足でゆっくりと歩んでいた。傘も持たず冷たさに身を震わせていた。それでも不思議と道端には見守る者たちの姿があった。霞んだビル群が彼の姿を遥か上から見つめているように感じた。

21キロの距離を歩ききると競技場の入口が見えてきた。安らぎを感じる間もなく、カメは冷たくなったシャツを脱ぐために風に晒されたスタンドへと向かった。階段の途中でポケットのスマホが鳴った。その

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ハーフマラソン

ハーフマラソン

朝、ハーフマラソンのスタートラインに立つウサギはどこか心細そうだった。彼女の周りは人々のざわめきで満たされているが、彼女自身は静かな世界にいるようだった。スタートの合図が鳴り響くと彼女はあたりを見渡すこともせずただひたすらに走り続けた。彼女は誰よりも速くゴールへと駆け抜け一人ぼっちで勝利を手にした。しかし、ゴールした彼女の心には何故か寂しさが漂っていた。

時間が経ち観客のほとんどが去った頃、カメ

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