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異星人とのセックス体験談 

8月6日、香る草の匂いと揺らぐ陽炎
耳をつんざく蝉の声は止まず、肌に玉のように浮かぶ汗が鬱陶しい、そんな真夏だ
だが、なぜ馬鹿みたいに暑いこんな時期に公園のベンチで身を寄せ合っているのかを考える、というのもまた野暮だろう、僕とAちゃんは付き合っている



半年前、日本をを襲った異星人「カルタ族」による未曾有の大侵略「ヴァルハラ」
カルタ族の一部移住を受け入れる形で集結したこの侵略戦争は、日本の総人口を50分の1にまで減らし、カルタ族の番となる者以外すべての一般市民から、一切の人権を奪うこととなった 
ある者は家畜、あるものは奴隷としてカルタ族に飼われ、日本から和の誇りは失われた

「そろそろ行くかい?Aちゃん」

「קאַגורע סאַקו」

「大丈夫、ディナーには君の好きなイタリアンを取ってあるから…ほら立って!車は向こうに停めてあるから」

「ווי דערוואַרט! עס איז קלוג, שטענדיק」

「はいはい、それほどでもございません…これでも元ホテルマンの端くれなんだから、エスコートの一つくらい出来なきゃね…と、あっ、シートベルトの形が合わないかい?そうだよね、君の身体が液状なのを忘れてた、加熱して…これでいいかい?」

「שוין! ווען וועט איר געדענקען עס? טאָן עס רעכט! דאס לייווסטאַק!אָבער טאָן איר ווי זאכן וואָס זענען נישט צו גוט?דאַנקען דיר, איך בין גרייט!」

「それじゃ!首都ゴーフルへ急ごう!」



「ふぃー…食べた食べた…お腹いっぱいだわ、久しぶりにイタリアンなんて食べたけど、あれやりすぎよ!少食の私にはちょっと辛いわ?シェフの頭も禿げてるし何よあれ!ダメ出ししだしたらキリないわ?でも、割と味付けは好みだったかも…」

「פּונקט ... איר שטענדיק האָבן די פאַרקערט וואָג פון קאַמפּליינינג און דאנקבארקייט, איך ווילן איר צו ווייַזן דיין דאנקבארקייט צו דיין בויפרענד וואס געבראכט איר צו דעם רעסטאָראַן מיט אַ העכער פּרייַז!」

「それを言うならあなたも、フィアンセにお金の話を出すなんて随分野暮な男ね?お互い様よ、こんなの!」

「אַנטשולדיקן מיר, עגאָיסטיש?」

「ふんだ、でも何だかんだで楽しかったわ、連れてきてくれてありがと。」

「דו ביסט מיין פרינצעסין?」

「もうっ!こんなところで何言ってるのよ…」

「חחחחחחחחח! !! !! !!」

「うふふっ!!」


次回へ続く




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