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人は成長し場所は歴史を刻む

先日、お魚と日本酒が美味しい居酒屋に仕事帰りに寄って一杯飲んだあと
まだ時間が早かったので「もう少し寄って帰るか~」と今度は地元のバーへ

最初に覗いたところは満席だったので、もう一軒のこちらも20年以上やっているオーセンティックなバーに久しぶりに寄ってみた。

ちなみにそのお店は前に

https://note.com/sweepers/n/n42b2aef1fd9b(「続・背伸びとお酒の思い出」)
で少し紹介した「BAR Phrase」

このバーに来るのは何年ぶりだろうか。

改めて色々と思い出すと、たぶん初めて来たのは20代の後半ぐらいだったと思う、まだバーでの一人飲みにも慣れ始めてきたところで仕事終わりに映画のレイトショーを見て帰ってきては、お酒を飲みながらマスターと映画の話などするちょっと背伸びをしていた頃だ。

その時の良く座っていた席はカウンターの一番端、入り口に一番近い席だが40~50代の常連の多いこのバーでの新参の若輩者はその席でも十分だった。
そんな中に混じって映画の話やらお酒の話に一人前に混じるなど、今から考えれば小癪な奴だったと思う。

このバーのマスターはバーテンダーとしての腕もさることながら、ワインが非常に好きな方で中でもカリフォルニアワインが一番という。
そんなマスターの影響か僕もここでワインの事を色々と教えてもらい、好きなワインの種類も覚えることが出来た。

2~3年通ったころぐらいから僕の飲みの場所は地元から、ミナミに移り始めこのバーに行くことが少なくなっていったのだけれど
時々地元ですれ違うと
「おお~元気か~!またおいでや~!」と気さくに声を掛けてくれるマスターだった。

そんなバーに久しぶりに足が向いたのは本当に偶然以外のなにものでもなく、長らく不義理をしていた身としてはお店に入るのも少し緊張していた
時節柄ドアは開け放たれていて、中を少し覗くと

「おお~!!よぉ来てくれたな~!!さぁさこっち座りや~」と

変わらない明るさで迎えてくれた。

案内されたのはカウンターの入り口に一番近い「いつもの席」

なんだか一気に気持ちが20代に戻ったような気持ちになった

童顔で柔らかい雰囲気のマスターはいつの間にかヒゲを生やしていたけど、話す口調は相変わらずふんわりと柔らかい。

「最近は何飲んでるの?ウイスキーか?」とか

「これまでどんなバーに行ってきたか聞かせてよ」とか

他愛もないことを話しつつ「何入れよか?」と聞かれたので

今日は寒いから温かいワインのカクテルとかいける?

とオーダーすると出てきたのは

ホットワイン

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この時期には身体の温まる一杯だなぁ、と思っているとマスターから驚きの一言が

これ、中に凍らせたピオーネとシャインマスカットを沈めてるねん♪

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ほんとだ、入ってた!
まったく、面白いことをするなぁ。

ホットワインを飲みつつ、少し冷たい葡萄を食べる・・・

いやはや、スタンダードな一杯にこういう「ひと捻り」ができるやっぱりすごいマスターだよ。

両手で持ちつつゆっくりと味わうと芯から温まった。

飲みながら久しぶりの再会に僕からも一杯奢らせて頂いて、昔話などしつつ2杯目は定番のカリフォルニアワインを頂くことに。

マスター一押しのカリフォルニアのワイナリー「ナパバレー」の
カベルネソーヴィニヨン2013 スペシャルリザーブ(ブレてるのはご了承)

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久しぶりのカリフォルニアワイン、これまた美味しい・・・
「良いグラスに良いワイン」というのもこれはこれで一つのマリアージュだと思うのだ。

これをゆっくり飲んでいるとマスターが
「これ食べていきや」とつまみを出してくれたのだが

まさかのハムカツ笑
それもまぁまぁ分厚いやつ

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お上品にナイフとフォークなんて言わずにレタスに包んで素手で掴んで齧る、そしてワインを飲む!
これがまた合うからお酒というのはほんとに面白い。

「どや?合うやろ?」と言われ、思わず「合うわ~」と言ってしまう

店構えや中は物凄く「オーセンティック」なのに、マスターは南大阪の気取らないのノリで話してくれる。
そんな「BAR Phrase」(フレーズ)
このお店が地元で長く愛される理由が改めて分かった気がする。

これからも地元で少しづつでも歴史を刻んでいってほしい、願わくば僕もその歴史の中に入れますように。

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