見出し画像

北欧スウェーデンの男女平等感1、たくましいスウェーデン女性

昨年の話ですが、日光浴を楽しんでいた非番の女性警官ミカエラさんが、ビキニ姿でスリを捕まえたというニュースが話題になりました。非番でもビキニ姿でも、警察官としての責任感からの行動です。スウェーデンの警察官は男女ともに身体を鍛えていて、女性だからといって侮れません。犯人逮捕の時の画像がインスタで配信され、あっという間に世界中に広がりました。数日後には日本語での記事も配信され、ネットを通じて世界に広がる情報の速さを目の当たりにしました。

水着だろうが休暇中だろうが、犯人を捕まえるために任務を全うする姿は美しいとさえ感じます。スウェーデンでは男女を分ける職業がかなり減っていて、徴兵でも女性の姿が増えています。衛兵交代式に参列している男女は同じ制服を身につけるので、パッと見にはどちらか分かりません。女性警察官もスカートではなく、動きやすいパンツ姿です。

スウェーデン女性は、ミカエラさんのようにたくましい人がたくさんいます。外見の美しさを追求するより、たくましく生きることを追求する女性の方が圧倒的に多いように思います。

スウェーデンに暮らすと、日本で感じていた「女子力」のようなことに悩むことはほどんどありません。女性は美しくあるべき、奥ゆかしくあるべき、料理上手であるべき、といったことよりも、いかに自分の意志をはっきりと持ち、たくましく生きていくかの方が問われているように思います。特に最近は心身ともにたくましいのが望ましいという風潮を感じ、男女ともに身体を鍛えている人たちをよく見かけます。腹筋が割れている女性も多くいることでしょう。

どういう自分になりたいかは本人の自由で、きれいにしたい人はすればいいし、強くなりたい人はなればいい。ようするに、すべては自分で決めればいいことです。それは男女の役割よりも、人としての自分を優先します。

スウェーデンは男女平等が進んだ国として知られていますが、50年以上も昔は女性の地位はもっと低かったのです。その状態からここまで平等に近づけたのは、先人の女性たちの力です。いつのまにか男女平等になったわけではなく、彼女たちが行動を起こしてここまできています。そして今でも努力を続けています。

50年以上前、まだ女性の地位が低かった時代に男性たちに立ち向かった女性たちがいました。彼女たちは、男性たちに酷評されたり、醜いイラストで新聞に描かれたり、たくさんのいやな思いをしています。それでも共感する人々が少しずつ増えて、女性の地位向上に努めていきました。それが今に繋がっています。

現代の多くのスウェーデン女性たちは問題意識が高く、納得のいかないことがあればとことん抗議し、行動に移します。以前に通っていたビジネススクールで、英語の講師の質が悪く、それを抗議したのは女子生徒たちでした。男子生徒たちはあまり気にしていない様子でしたが、女性たちは我慢ならなかったわけです。クラス全員に講師交代の多数決を実施し、多数だったため講師が交代となりましたが、そこまで実行に移す行動力には脱帽しました。

さて、日本人女性をパートナーに持つスウェーデン男性はけっこういますが、最近はスウェーデン人女性をパートナーに持つ日本人男性が少しずつ増えているようです。日本の若い男性たちは男女平等派が増えているように思います。スウェーデン女性の強さに惹かれる日本男性が増えてきた、ということでしょうか。スウェーデン女性の良さに気づいているのは、スウェーデン人男性や私たちだけではないようです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?