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日々の暮らしを豊かにする!ロスフラワー対策3つ

「ロスフラワー」という言葉をご存知ですか?

「ロスフラワー」とは、売れ残ったり、結婚式などで飾られた後に用済みとなった花を指す言葉で、「食品ロス」になぞらえたフラワーサイクリストの河島春佳さんによる造語です。新型コロナの影響によりメディアなどでもよく耳にしたり目にしたりするようになりました。

今年、新型コロナウィルスの影響でイベントの自粛が相次ぎ、花の消費が激減。世に出て人々の目を楽しませるはずだった美しい花が商品にならず、生花店では店頭販売の30〜40%の花が廃棄されているとのこと。(出典 2020年3月 農林水産省HP掲載情報)

世界全体で食品ロスを見たとき、1年あたりで13億トンにも及ぶ食料品が廃棄されているのですが、廃棄率でいえば、現在フラワーロスが食品ロス(廃棄)を上回っている状態なのです。その事実に胸が痛みました。(出典:国際開発センター「目標12 つくる責任つかう責任」,2018)

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そんな中いま、捨てられる運命の花に新たな命を吹き込む活動に、大きな賛同が集まっています。

花の命は一瞬。

私はナマモノの在庫を抱える大変さを痛感しながらも、これまでにレッスンでの生徒様、ホテルでのお客様に喜んでいただけるおもてなしのお花を制作してきました。

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紫陽花で作る夏のテーブルリース

また、昨年はイギリスに留学したのですが、街並みに自然に溶け込むお花に魅了されました。

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イギリスはガーデニング文化なので、天候に恵まれる初夏6月から、各家庭の庭に植える鉢ものを購入する人が増え始めます。

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花を家に飾ったり人に贈ったりする習慣が日常であるヨーロッパに比べ、まだまだ日本ではお花を買う機会は少ない傾向にありますが、今年はステイホームの影響で、日本においても園芸に関心を持つ方が増えました。

ヨーロッパの花文化は、ボリュームたっぷりの豪華なテイストが主流ですが忘れてはいけないことは、たった一輪の花にも命があり個性があること。
それぞれを一輪も無駄にしたくない、そんな想いで様々なアプローチで生花を再生させる取組みが始まっています。

今世界で行われるロスフラワーの解決策となるような取組みを3つご紹介。


1 .  捨てられるお花をお香に

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(Photo by UN environment / Georgina Smith)

まずは海外の事例です。
インドのヒンズー教の寺院では、毎朝お香を焚きに人々が集まります。

寺院にて捨てられるはずだったお花がお香として使われているのです。このアイディアを発案したのは、インドの起業家Ankit Agarwalさん。

環境を守り、問題を解決する素晴らしいアイデアを持った18歳から30歳の優れた若者を見つけ出し、支援し、表彰することを目的とした国連の環境プログラム「Young Champions of the Earth」のファイナリストでもあります。

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Founder and Chief Executive Officer at Help Us Green, India. Photo by UN Environment/Georgina Smith

以下は、「花くずから香へ」というAnkitさんのインタビューです。

「毎日、約50万人が寺院に行き、花を捧げますが、次に何が起こるかを誰も考えていないのです。」
「毎年800万トン以上の花が、有毒な農薬や殺虫剤とともに栽培されており、川に投棄されています。」

(出典:UN environment)

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彼がCEOを務めるHelp Us Green社のお香は、インド全土の顧客向けに作られています。箱の中にはカラフルな線香立てが入っており、オレンジやローズからユーカリ、ラベンダーまで、13種類の香りがあります。こうして廃棄されるはずだった花は変形し、カラフルで新しい生命が与えられているのです。

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2 . 自宅で簡単にできる手作りポプリ

次は、自宅で出来るロスフラワー解決策です。

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ほんのり香る癒しアイテム、ポプリを、自宅で簡単に作成する方法をご紹介します。以下3ステップで作れます。

STEP 1:ロスフラワーをカリカリになるまで乾かしてから、好きなスパイスと混ぜます。 シナモンやクローブ、ナツメグ、乾燥した柑橘類の皮、バニラビーンズなどの中からどれでも好きなものを混ぜることができます。 

STEP2:エッセンシャルオイルを数滴加えるか、お気に入りの香水を加えます。 

STEP3:瓶やボウルに混合物を密封し、10日間熟成。

自家製ポプリの完成です。

3 . 押し花でフラワーアート絵画

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まず、段ボールにカラフルな紙または白い紙のシートを貼ります。ロスフラワーを使った押し花を用意し、それらを元に自由な発想でデザインを描いたら、 完全に乾かした花を貼り付けていき、完成!

自宅の空間を彩る絵画を、世界にひとつだけのオリジナルに仕上げられたら素敵ですね。


こうしたロスフラワー解決策となる取組みは、社会貢献になるだけではなく、日々の生活を豊かにしてくれます。農家の方々が丹精込めて咲かせた花を無駄にすることなく、命を全うさせられる取組みのご紹介でした。

(文:山本ひかり)
















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