脳髄の盲点

タイトルは江戸川乱歩の短編小説「恐ろしき錯誤」に出てきた言葉。
おもしろい言葉でおもしろい考え方だと思った。

君は盲点というものを知っているだろう。
僕は盲点の作用程恐ろしいものは無いと思うよ。普通盲点といえば、視覚について用いられてる言葉だが、僕は、意識にも盲点があると思う。つまり、云わば『脳髄の盲点』なんだね。

江戸川乱歩『恐ろしき錯誤』(青空文庫)

例えば、僕が一つの創見(そうけん)に富んだ学説を発表するとする。その場合、その巧みに組立てられた学説のある一点に『脳髄の盲点』が作用していたとしたらどうだ。一度盲点にかかったら、何かの機会でそれをはずれるまでは、間違いを間違いだと意識しないのだからな。

江戸川乱歩『恐ろしき錯誤』(青空文庫)

人は全てを俯瞰で見ることは出来ない。当然だろう。ある意味、だから協力する。だから協力して物事に取り組む。

しかし以前から諸々の媒体で書かれているとある投稿は、——もし脳髄の盲点が作用していたのだとしたら——果たしてど忘れか、それとも本当に知らなかったのか、はたまた意図的なのか。
いずれにしろ自ら上げているのだから、書いた者に焦点が当たり、追及されることは間違いなかろう。

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