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保育ソーシャルワークの実践例 │給食を食べないAくん編
卒園のシーズンですね。子どもたちの成長をお祝いしてくれているかのように、桜のつぼみが膨らみ始めています。
さて、今回は保育ソーシャルワークがどのような流れを踏まえて行っているか、より具体的にその実践例をご紹介します。
その前に、もう一度、保育ソーシャルワークについてお伝えします。
・「よく分からないけど、なんか気になる」
保育ソーシャルワークは、保育園や幼稚園、こども園などの乳幼児や家庭に対して、園の職員が気になっていること・困っていることを一緒に考えて問題解決をしていくことです。私たちは、先生たちの「なんか気になる、でもどうしたらいいんだろう」を紐解いていきます。
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・職員のケア
もう一つ大事にしているのは、園で働いている職員のケアです。保育園は社会インフラであり、保育園や幼稚園があるからこそ多くの方の暮らしが成り立っています。ソーシャルワーク福岡は、人々の暮らしを担い、子どもを育てる先生方の悩みの受け皿や、スキルアップの一助になりたいと活動しています。
・保育ソーシャルワークの実践例
例えば、「Aくん、給食をあまり食べないな…」について、保育ソーシャルワーカーは、子どもたちや保護者、保育者にこのようなお手伝いをしていきます。
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給食をあまり食べないAくん(4歳)に対して…
【インテーク(受理)】
まずは保護者や保育士からAさんの話を伺います
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【アセスメント(事前評価)】
・連絡帳を見返して、朝食や夕食の内容を見てみる
・発育記録を見返してみる
~ インテークやアセスメントの結果、Aくんは家でのごはんや園でのおやつは食べるけど、給食の時だけあまり食べないことが分かりました。紐解いていくと、Aくんのこだわりがあることが分かりました。それは、最近、園で提供していた箸が新調され、それが嫌だったようです。また、シャキシャキ・パリパリしたものが苦手ということも分かりました。 ~
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【プランニング(計画)】
・給食の先生に以前の箸が使えるか聞いてみる
・Aくんの保護者に家で使っている箸を持ってきてもらう
・口の中の感覚が過剰に反応する特性があるかもしれないので、言語聴覚士の先生に相談をしてみる
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【インターベンション(援助的介入)】
今までと同じ箸を使えることで給食の時間も落ち着いた様子をみせるようになったAくん。しかし、シャキシャキ・パリパリしたものを残すことが目立つようになり、おやつにでていたおせんべいも避けるようになりました。家庭でも同じようなことが起きているので、保護者の方と話し合い、言語聴覚士の先生がいる教室をご紹介しました。
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【モニタリング(観察・介入)】
言語聴覚士の先生がいる教室に通うようになったAくんと保護者さん。教室で行っている遊び(トレーニング)を園とも共有してから、食事の偏りがなくなってきました。給食の先生とも相談して、Aくんが苦手なものは分量を減らしたり、小さくしたりしていますが、この部分はまだ継続していくことにしました。まずは、Aくんが食べ切って満足することを大切にしようとみんなで(Aくん、Aくん保護者、保育士、給食の先生、言語聴覚士、保育sw)決めたからです。今後は支援者みんなでAくんの様子を見守ったり、観察したりしながら、必要に応じてアセスメントを行っていきます。
このように、保育ソーシャルワークは、「子どもと保護者」及び「保育者」の支援をしていきます。
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「子どもと保護者の支援」は、子どもの権利や暮らしと育ちの保障、家庭環境と家庭の問題解決能力の向上になります。今回の事例ですと、Aくんの成長発達を促進し、それが保護者のAくんへの育ちの喜びや子育ての自信に繋がりました。
また、保育者にとっても、「なんか気になる…」と感じたことが間違いではなかったこと、保育者以外の様々な専門家等が関わることで保育者自身の負担軽減や視野の拡大に至りました。そして、保育士としてのやりがいを感じることができています。
次の記事では、保育ソーシャルワーク導入園からのアンケート結果についてお伝えします。
お問い合わせ先
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ソーシャルワーク福岡:info@sw-f.jp