政府に介入されて壊死するタクシー業界
「年末から多発!東京で深刻「タクシーが全然捕まらない」問題の根本原因、配車アプリでも確保困難」
(東洋経済/栗田シメイ:ノンフィクションライター)
この記事を書いたバカの事は全く知らないが、ノンフィクションライターという肩書きが嘘である事は確実である。
何故なら、この記事はフィクションだからである。
サービスというのは商品の一形態である。商品の価格というのは、需要と供給のバランスによって決定されるものである。
企業(=サービスの供給側)も顧客も値上げを良しとしないなら、そこが現状における適価という、ただそれだけの話である。
では、何故に記事で紹介されている様な、供給が需要に全く追い付いていないという事態になるのか。これを正確に理解しておかなければならない。
結論から書くと、企業側が値上げに慎重なのでは無い。タクシー料金というのは政府の規制が掛かっていて、企業が自由に価格を変える事が出来ない。価格を上げたくても軽々に上げられない。そこに雇用規制など、別の規制による影響も複合的に絡んできている。
根本要因は何かという問いに対する解答は、「政府が規制するから」が正解である。
反日極左メディアというのは、この様な政府の規制による弊害を報道しない。そればかりか、規制されている事自体に極力触れない様にする。それは、政府が規制で以って民間に介入する行為こそ、左翼主義者の目指す社会を構築する上での基礎に当たるからである。
見出し画像の需要供給曲線を見れば一目瞭然で、タクシーの場合はサービスの供給が減っているとの事だから、供給曲線がずずっと全体的に左へシフトする。
そうすると、需要曲線との交点が左上に動く。
価格は上がり、需要が減る訳である。
ここでもし、タクシー業界が調子に乗って価格を上げすぎると、更に需要が減る。
減りすぎるとタクシー業界の収益が悪化する。
そうするとタクシー業界は価格を少し下げる。
そうすると需要が少し回復する。
もし、タクシー会社Aだけが他社よりも不当に安価な料金設定したらどうなるか。
当然、A社のタクシーだけ需要が増える。
そうするとA社は供給を増やそうとする。
増やせるなら良いが、上手く増やせなかった場合はどうなるか。A社に所属する運ちゃんからすれば、クソ忙しいのに料金設定が安い所為で大して儲からないという事になる。
不平不満が上がる。辞める者も居れば、体調を崩して働けなくなる者も居るだろう。競合他社が生き残っていればそちらへ移ろうとする者も居るだろうし、何より新たな人材が入って来なくなる。
そうなればA社は価格の見直しをするしか無くなる。
タクシー業界全体で需要に対して供給が著しく劣るという状況。これこそ政府の介入による産物である。
政府が軽々に料金改定させない事によって、タクシー運営会社が数社まとめてA社の様な状態になっているという事である。
政府はタクシー料金の設定に介入する言い訳として、次の様にムニャムニャ述べている。
「タクシーはバスとか電車と同じ様に、交通インフラの一種だからさぁ〜」「不当な価格競争が出来ない様にした方がイイでしょお〜」「運ちゃん達の労働環境も守んないとさぁ〜」「だからって高くなり過ぎたら利用者が困るじゃ〜ん」
大きなお世話である。
正に現在、タクシーの需要量に対して供給が追い付いていない。ただでさえ人手不足でドライバーを増やすなんぞ簡単な話では無い。価格を上げさせない政府の所為で、運ちゃん達は無駄に忙しいままである。
政府が余計な事をしなければ、この様な状況にはなっていないのである。
そこで運ちゃん連中が、「だったらもう、タクシードライバーなんぞ辞めてやんよ!」とならないのは何故かと言えば、今度は雇用規制の登場である。
辞めたところで、別の仕事に就く事は簡単では無い。
手に職があって高付加価値な労働に従事出来る人でも、今の日本の様に雇用側が軽々に解雇出来ず、それ故に軽々に雇えない現状では、満足いく働き口を見つけるなど絶望的である。
付加価値の低い労働で、ちょっと稼げるだけでいいかと思っても、最低賃金を政府が定めている所為で、どこも潤沢に人を雇う余裕は無い。
結局、ブツクサ文句を言いながらも、タクシーを運転し続けるしかない訳である。
引用した記事では、何か現場の声を拾ってきた風な書き方をしているが、実の所は中身スッカスカの駄文である。
最後にタクシーの存在意義がどうのと言い放っているが、この記事を書いたバカはタクシーの事を心配する前に、自分の存在意義を心配した方が良い。
※補足①
政府が定める全ての規制について、その存在理由を疑うべきである。
全部無駄とは言わないが、無くてはならないものより、無い方が良いものの方が圧倒的に多い筈である。
※補足②
「需要に対して供給が不足」とか、「供給に対して需要が過多」とか、その様な事象が発生した場合、先ず真っ先に政府の規制を疑うべきである。
大体は、「やっぱり政府の仕業だったな」という風になる筈である。
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