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「心のリハビリワーク」はクローズで

私は統合失調症からの「心のリハビリ」について文章を書いている者です。

今回は二十代くらいで無職の若い統合失調症を患っている人に向けて、同じ統合失調症を患っている四十代の先輩として少し上から目線で書きたいと思います。お許しください。

もし、あなたが就労を考えているのなら、オープンで行くか、クローズで行くか、迷うところだと思います。
オープンとはつまり就職先に自分の病気を明かすこと、クローズとは明かさないで就職することです。

オープンで行くと面接か書類選考で落とされる可能性が高いのが不安だと思います。私もずいぶんそれで苦しみました。それに職種も限られてしまいます。
クローズで行くと、就職できる可能性は高いが就職してからが大変なのではないかという不安が大きいと思います。

もし、これから就く仕事を「心のリハビリ」として活用したいとしたら、絶対にクローズで行くべきだと思います。

いきなり「心のリハビリとして仕事を」などと言われてもわからないと思いますが、ようするに病状をよくするための社会参加の経験をすることです。収入を得るために働くのではなく、社会経験を積んで「まともな」人間に近づくための「修行」として働くのです。
もし、職場の人間があなたを精神障害者だと知っていたら、偏見もあるだろうし、あなたを障害者として見てしまいます。これでは「まともな」コミュニケーションの修行にはなりません。
職場の人間に「健常者」と見られ、話しかけられることが修行として意味があることだと思います。

私はここで「心のリハビリワーク」を正規雇用としては考えていません。ひとつのステップとして、非正規雇用で行くといいと思います。あなたの現状に合った就労形態をとるといいと思います。バイトでもいいと思います。
そして、現在の自分でもできる仕事をするべきです。あくまで「リハビリ」という意識を忘れないでください。それから、職場の人間の雰囲気を見て、自分の心に悪影響がありそうな場合はすぐに辞めるべきだと思います。(私は一日で辞めた経験があります)。そのかわり、職場の人間が良好ならば、辛くなっても「ここで心のリハビリをするんだ」と自分に言い聞かせて頑張ってください。

「がんばれ」と言うのは、精神障害者に対してはあまり言うべきとはされていません。頑張ったために精神病になった人が多いからです。
しかし、「修行のために仕事をしてみようか」と思えるくらいの人に対しては、「がんばれ」と言っていいと思います。

支援者はなにかと支援してあげたくなるものだと思います。ジョブコーチが就職先へ出かけることもあると思います。
しかし、クローズで就職した場合、そこに支援者が来てはまったく意味がありません。支援者のいない環境で頑張ることに意味があるのです。支援者は後方支援に回るべきです。つまり、精神的に支えることに努めるべきです。私もこの文章を書いているのはそのような後方支援のつもりでいます。
SNSには同じように病んでいる仲間がいます。そこを逃げ場にしてもいいし、デイケアなどに空いた時間に通って、スタッフや仲間と話をするのもいいかもしれません。

この「心のリハビリワーク」という修行はかなり効果が高いと私は自分の経験上考えています。(私は同時に医師から出された薬の内服を毎日欠かさず続けました)(継続は力なり)

では、「心のリハビリワーク」に挑戦してみようという方は頑張ってください。
必ず明日は日が昇ります。

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