登山は競うものではない
私は高校二年生の時、半年ほど山岳部に所属していた。
最初の山行はいきなり雪山だった。それが未だに私の唯一の雪山登山だ。
そして、夏山の縦走で、北岳から見たご来光が忘れられずに、三十四歳で登山を趣味とするようになった。
その高校の山岳部では、インターハイ予選に出た。私は登山は「競うスポーツではない」という持論があり、「景色を楽しむべきものだ」と考えて、下山時に山頂近くでよそ見をしていたら、足を捻挫してしまった。それまでトップを独走していたのに私のためにチームは次々に他のチームに